[II-P01-5-01] First palliative procedure against tetralogy of Fallot in early infancy -From improvement of survival rate to preservation rate of pulmonary valve-
Keywords:カテーテル治療, BTシャント, 右室流出路再建術
【背景】ファロー四徴症(TOF)や類似の血行動態を示す両大血管右室症(DORV)では,根治術後遠隔期の肺動脈弁逆流が問題となるため,弁温存術が望まれている.当院では肺動脈弁輪まで切開する積極的な弁形成術により,弁温存率は87%である.修復術は,生後6か月,体重6.0kgを目安に行われているが,早期の介入が必要な症例も存在する.【目的】乳児期早期に対応を要する上記疾患への姑息術の適応を検討する.【対象】1996年1月-2023年9月までの27年間の同疾患群で,生後3か月未満に介入を要した32例.肺動脈閉鎖,単心室血行動態は除外した.【結果】32例の基礎疾患はTOF23例,DORV9例.男児21例,女児11例.姑息術は外科的シャント術19例,肺動脈弁バルーン拡張術(BVP)10例,RVOTステント2例,PDAステント1例.介入時期は中央値で生後46(6-84)日,体重3.8(1.3-6.2)kgであった.姑息術の適応は安静時SpO2 80%未満の重度チアノーゼ29例(うち低酸素発作7例),左室低形成2例,肺動脈低形成1例.8例(25%)に流出路中隔欠損を伴い,うち6例でBVPを施行した.30例で修復術に到達し,残り2例は待機中である.術式はtransannular patch 15例,弁温存11例,ラステリ手術4例.弁温存1例で再介入を要し,弁温存不可であった.シャント群(S群)とカテーテル治療群(I群)の姑息術はそれぞれ生後47(6-78)日,40(8-84)日,体重3.8(2.3-5.8)kg,3.7(1.3-6.2)kg,姑息術時の肺動脈弁輪径のZスコアは-3.7±1.2,-6.6±1.8(p<0.001)であった.1尖弁,流出路中隔欠損で弁温存例はなかった.BVP,RVOTステントを施行した症例で弁温存例はなかった.最終的な弁温存はS群9例,I群でPDAステントを留置した1例で達成した.【結語】乳児期早期に介入を要する群では肺動脈弁温存率は高くなく,流出路中隔欠損,1尖弁例では特に低い.BVP,RVOTステントは弁温存困難だが,PDAステントは自己弁温存の可能性を残すことができる.