The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

複雑心奇形(外科)

Poster Session(II-P01-5)

Fri. Jul 12, 2024 12:40 PM - 1:40 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:木村 成卓(慶應義塾大学医学部 外科学(心臓血管))

[II-P01-5-02] Investigation of cases with insufficient improvement in right ventricular enlargement after pulmonary valve replacement in tetralogy of Fallot.

小林 優1,2, 長友 雄作1, 松岡 良平1,2, 豊村 大亮1, 寺師 英子1, 平田 悠一郎1, 永田 弾1, 山村 健一郎1, 坂本 一郎2, 大賀 正一1 (1.九州大学病院 小児科, 2.九州大学病院 循環器内科)

Keywords:ファロー四徴症, 右室容積減少率, 右室収縮末期係数

【背景】ファロー四徴症(TOF)術後の肺動脈弁逆流(PR)に対する肺動脈弁置換術(PVR)の適応は、有症状の重度PRや、右室拡大(RVEDVI≧160ml/m2やRVESVI≧80ml/m2)、右室収縮低下、運動耐用能低下、心電図QRS幅等で判断される。PVRによって右室拡大の改善が期待されるが、実際にPVR後に右室拡大の改善が乏しい症例も経験する。【目的】PVR後に右室拡大の改善が乏しい症例の特徴を検討する。【方法】 2011-18年に当院でPVRを行った34例を対象とし、手術前後MRIのRVEDVIを用いて右室容積減少率=(術前RVEDVI-術後RVEDVI)÷術前RVEDVIを求めた。PVRで制御されたPRの分右室仕事量は減少すると想定し、右室容積減少率>術前PR率のものをGood reduction(G)群、右室容積減少率<術前PR率をPoor reduction(P)群とし、両群間でNYHA、心電図QRS幅、TR、PR率(%)、RV/LVのEDVI、ESVI(ml/m2)、EF(%)を比較した。【結果】疾患はTOF 28例、TOF+PA 5例、TOF+PA+MAPCA 1例で、ICR年齢は3.0(2.0-5.0)歳、PVR年齢は28.5(18.0-47.5)歳であった。術前PR率45(22-54)で術前RVEDVI 158.9(142.1-213.3)と拡大していたが、術後RVEDVI 109.0 (98.9-128.4)(p<0.05)で全例で右室拡大は改善していた。そのうちG群:13例 vs P群:21例で、両群間でICR年齢、PVR年齢、術前NYHA、QRS幅は有意差なかった。術前PR率はP群で高く(24vs 47, p=0.02)、有意差はなかったが中等度以上のTRの割合もP群で高かった(23 vs 35, p=0.06)。術前RVEDVIは209 vs 151(p=0.15)、EFは40 vs 43(p=0.67)で有意差はなかったが、RVESVIは101vs 82(p=0.04)とP群で小さかった。そのほかのパラメータには有意な差はなかった。【結語】 通常、RVESVI拡大は右心機能低下を示唆する所見であるが、今回の検討ではPRやTRが多いにも関わらず、術前のRVESVIが小さい症例でPVR後の右室拡大の改善が乏しかった。その要因は不明だが、ICR以前のもともとの右室サイズ等も検討すべきかもしれない。