The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster Session

心筋心膜疾患

Poster Session(II-P01-6)

Fri. Jul 12, 2024 12:40 PM - 1:40 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:藤原 優子(町田市民病院 小児科)

[II-P01-6-09] Two cases of pulmonary septic embolism with right side infectious endocarditis and ventricular septal defect

岡崎 新太郎, 西田 公一 (福井循環器病院 小児科)

Keywords:感染性心内膜炎, 敗血症性肺塞栓症, 心室中隔欠損

【背景】敗血症性肺塞栓症(SPE)は敗血症に伴う菌塊が塞栓子となって肺塞栓をきたす稀な病態である。心室中隔欠損(VSD)に合併した右心系感染性心内膜炎によるSPE2例を報告する。【症例1】17歳女性。VSD膜様部型と診断され経過観察されていた。1か月前に歯科治療歴あり。発熱・咳嗽で近医を受診、対症療法となったが咳嗽は増悪、右胸痛出現もあり発熱8日目に前医を紹介受診。胸部X線で右肺に浸潤影、炎症反応高値を認め、重症肺炎として抗菌薬治療が開始された。改善乏しく発熱10日目に胸部CTを施行、右肺優位に肺塞栓を疑う多発結節像を認めた。エコーで心室中隔瘤近傍に直径11mmの疣贅が確認され、入院時の血液培養からStreptococcus gordoniiが検出されたため感染性心内膜炎、それに伴うSPEと診断された。感染コントロール不良のため発熱12日目に当院で手術:疣贅切除+VSD閉鎖を施行され軽快した。【症例2】24歳女性。VSD膜様部型と診断されていたが高校卒業後は未受診であった。アトピー性皮膚炎あり。発熱が5日間持続するため前医を受診。敗血症の診断で抗菌薬、DIC治療が開始された。呼吸苦精査のため施行された胸部CTで両肺に肺塞栓を疑う多発結節像・肺塞栓像を認め、血液培養からStaphylococcus aureusが検出されSPEと診断された。エコーで疣贅は確認できず、弁破壊も認めないことからCTで肺病変のフォローをしながら抗菌薬治療の方針とした。2週間の治療でCRPは陰性化、肺結節陰影は増加することなく縮小した。再発の可能性がありVSD閉鎖を検討したが希望されず、以後外来経過観察である。【考察】未治療のVSDでは右心系感染性心内膜炎によりSPEを合併することがある。SPEの症状は非特異的であり、エコーで疣贅が確認できない場合であっても血液培養陽性や高度炎症を認める場合には胸部CT検査を施行すること有用と考えられる。