[II-P01-6-10] A case of infectious endocarditis diagnosed after septic pulmonary embolism.
Keywords:感染性心内膜炎, 敗血症性肺塞栓症, 心室中隔欠損症
【背景】SPEはIEの合併症として報告されているが、発熱や呼吸器症状などの非特異的臨床症状で発症し、胸部CTなどの画像所見も非特異的であるため、しばしば肺炎などの呼吸器感染症と誤診される。【症例】1歳男児。新生児期に心雑音を指摘され、心室中隔欠損症(VSD)膜様部型と診断された。心室中隔瘤(MSA)の発達があり、無投薬経過観察となっていた。入院2週間前に右足蜂窩織炎と診断され抗菌薬投与にて改善した。入院4日前から発熱があり、入院2日前に近医を受診し、血液検査にてCRP 4.22mg/dLと上昇していたため抗菌薬が処方された。その後も解熱しないため入院日に再度近医を受診し、白血球増多(33,980/μL)、血小板減少(6.5万/μL)があり、精査加療目的に当院受診となった。入院時の心臓超音波検査では明らかな疣贅を認めず、胸部CTでは両側肺に多発結節影を認めた。血液検査では血小板低下、凝固異常を認め、敗血症による播種性血管内凝固症候群(DIC)と診断し、セフタチジム投与にて加療を開始した。入院2日目に、入院時の血液培養からメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)が検出されたため、MSSA菌血症と診断し、抗菌薬をセファゾリンへ変更した。入院後は解熱を維持していたが、血液培養陽性が持続していたため、再度心臓超音波検査を施行したところ、三尖弁に10mm大の疣贅を認め、感染性心内膜炎(IE)およびIEに伴う敗血症性肺塞栓症(SPE)と診断し、抗菌薬投与を血液培養陰性化から6週間継続した。治療後の心臓超音波検査では、疣贅は縮小しているものの残存しており、今後VSD閉鎖術を予定している。【考察】SPEは呼吸不全や敗血症性ショックなど重症化する可能性があるため早期治療が重要であり、原因としてIEによる敗血症を念頭に置いて精査する必要がある。【結語】SPEを起こした症例ではIEの合併を疑い、心臓超音波検査を繰り返し施行することが重要である。