The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

集中治療・周術期管理

Poster Session(II-P02-1)

Fri. Jul 12, 2024 4:15 PM - 5:15 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:熊本 崇(佐賀大学医学部附属病院 小児科)

[II-P02-1-01] The effect of junctional rhythm on Fontan circulation

宮崎 文1,2,3, 藤本 欣史3, 中嶌 八隅1,2, 阪田 純司4, 竹内 泰代4, 本岡 眞琴4, 井上 奈緒1,2, 田中 靖彦3, 小野 安生3, 坂本 裕樹4, 杉山 央1,2 (1.聖隷浜松病院成人先天性心疾患科, 2.聖隷浜松病院小児循環器科, 3.静岡県立総合病院移行医療部成人先天性心疾患科, 4.静岡県立総合病院循環器内科)

Keywords:Fontan, 接合部調律, 心房ペーシング

【背景】 Fontan (F)循環の遠隔期に, 洞機能不全のため接合部調律 (JR)がみられる場合がある. 【目的】 JRのF循環への影響及び, 心房ペーシング (AP)による血行動態の変化を検討し, ペースメーカ適応について考察すること. 【方法】 2019-2023年にホルター心電図 (Ho)を施行した15歳以上F患者のうち安静時JRを呈した11人 (JR群)と, Excellent status 24人 (ES群)の2群で, Ho, 心肺運動負荷試験 (CPX)の心拍数 (HR)及び血行動態指標を検討した. ESは, ”重大な合併症による予定外入院既往かつ肝硬変なし”かつ”血行動態異常なし”とした. さらにカテーテル検査で, JRとAPで圧測定を施行した5人 (ペースメーカ植込み後1例)の中心静脈圧 (CVP)・および体心室収縮期圧 (SP)の変化を検討した. 【結果】 JR/ES群のHo HRは, 最小(min) (40.4±5.0 vs. 50.2±8.6 bpm, p=0.001), 平均 (mean) (69.8±9.8 vs. 80.1±7.6 bpm, p<0.01), 最大 (max) (129.2±25.0 vs. 139±18.5 bpm, p=ns)で, JR群でmin/meanが低く, maxに差はなかった. CPX HRに有意差なかった. 血行動態指標では, JR群でlog HANPが高かったが (1.64±0.30 vs. 1.38±0.29 pg/ml, p=0.02), log BNP/心胸郭比/CPX最大酸素消費量に差はなかった. カテーテル検査では, CVPが高かった (13.1±2.0 vs. 10.6±2.3 mmHg, p<0.01)が, 心拍出量/BPに差はなかった. APでの評価は, JR rate+10 bpmでSP 8.8±4.4 mmHg (p=0.01), JR rate+20 bpmでCVP -1.8±0.8 mmHg (p<0.01)の変化を認めた. 【考察】 JR群のlog HANP/CVP上昇は, 房室同期不全による心房負荷を反映し, その他の指標に差がなかったのは, 活動時HR上昇によるものと推測する. APにより血行動態の改善が期待できる.【結論】 安静時JRを呈しても, 活動時HRが上昇する症例は, 血行動態への影響が少ないと予想される. JRで, HR上昇がない場合や血行動態が懸念されるF循環には積極的なAPが望まれる.