[II-P02-2-01] Successful ablation for fast-slow atrioventricular nodal reentrant tachycardia using a slow pathway extending to the inferolateral right atrium
Keywords:AVNRT, Right inferolateral extention, Ablation
【背景】三尖弁輪に沿って右房自由壁に接続する房室結節遅伝導路(SP)バリアントの存在が示唆されている。【症例提示】体重25kgの女児。8歳頃から運動後に胸部違和感を自覚していた。安静時心電図では右房下部起源の心房期外収縮(PAC)を認めた。トレッドミル運動負荷試験で非持続性Long RP頻拍180bpmを認め、ホルター心電図検査で、非持続性心房頻拍を含むPACが総心拍数の26%とカウントされ、最長1分持続するLong RP頻拍190bpmも認めた。9歳時に動悸が増悪、PAC89%まで増加。当初心房頻拍を疑いビソプロロール0.1mg/kgを開始すると症状は軽快。半年後服薬を中止してもPAC0.8%と減少しており、運動負荷試験も陰性。しかしその後に4時間持続する動悸を認め、電気生理学的検査を行った。 ベースラインの心房期外刺激ではJump-upなし、室房伝導は冠静脈洞入口部で減衰伝導を認めた。プロタノール負荷で自然発生または心房刺激によりA-V-A様式で頻拍が誘発され、再早期心房興奮部位(EAAS)は三尖弁輪7時であった。His不応期心室期外刺激で心房リセットなし、または心房捕捉を伴わずに頻拍が停止した。心室からのエントレインメント終了時はV-A-Vパターン、また心室ペーシング中に心房興奮間隔が延長したのち心房捕捉を伴わず頻拍が停止した。ATP0.1mg/kg投与で頻拍は停止せず。以上の所見から三尖弁輪後外側に接続したSPを介するFast/Slow型房室結節リエントリー性頻拍と診断した。頻拍中の再早期心房興奮部位への通電で頻拍誘発性は消失、1か月後の運動負荷試験でもPACや頻拍の再発は認めなかった。【考察】Long RP頻拍で三尖弁輪自由壁側再早期の場合、通常は心房頻拍を考えるが、本例は電気生理学的特徴により上記と診断した。本疾患の小児例の報告はない。EAASへの通電で不成功の場合、拡張期にみられるSP電位指標での治療有効性が報告されている。