[II-P02-2-02] A case of intermittent WPW syndrome with AVRT during exercise
Keywords:WPW症候群, ホルター心電図, アブレーション
【背景】WPW型心電図の有病率は0.1-0.3%といわれており、予後良好な疾患群である。初発症状が失神や突然死などのリスクは0.13%/年と推定されている。そのうち間欠型WPW症候群は房室副伝導路(AP)の有効不応期が長く致死性不整脈をきたすリスクは低いとされている。【症例】15歳男児【家族歴】母:潰瘍性大腸炎。姉:クローン病【既往歴】特記すべきことなし。学校心電図検診で異常を指摘されたことはない。【現病歴】3年前より運動時の倦怠感と動悸を訴えた。近医での血液検査で貧血を指摘され鉄剤内服で改善したが、1年前より再度運動時の動悸が続くため当院紹介受診した。サッカーのクラブチームに所属し強度の高い運動を行っている。当初、起立性調節障害と診断されていたが、症状が継続するためホルター心電図を施行したところ、サッカーの練習時に280bpmの頻拍発作を認めた。一部narrow QRSからwide QRSに変化していた。失神はなかったが発作時はめまいを訴えており臥床していた。また、安静時や入眠時にデルタ波を認めたため間欠型WPW症候群による頻拍発作と考えた。cycle lengthが短く致死性不整脈のリスクが高いと考え運動禁とし、アブレーション目的で紹介した。電気生理学的検査では190-200bpmの頻拍が自然に誘発され僧帽弁側のAPが同定された。APは両方向性で減衰伝導はなかった。同部位を通電し発作は停止した。以降、発作は起こっていない。【考察】最近の報告では間欠型WPW症候群は持続型群に比べてハイリスクAPは少ないが、致死性不整脈のリスクは排除できないことが示されている。本症例は、運動選手でありかなりの強度の運動負荷時に頻拍をきたしていた。CLも短く運動時失神など危急的症状への注意が必要であった。ホルター心電図下での運動時評価は診断に有用であった。