[II-P02-2-03] Outcome of arrhythmia in the fetal and neonatal period admitted to NICU of Dokkyo Medical University
Keywords:不整脈, 胎児, 新生児
【背景】胎児期、新生児期の不整脈は予後良好で自然消失が多いとされる。しかしながら出生直後に循環動態に影響し治療を要す症例もあることから、近年胎児・新生児期の不整脈治療の有効性が報告されている。【目的・方法】2000年から2024年までに当院NICUにおいて胎児および新生児不整脈の診断で入院した新生児52例を対象とし、電子診療録をもとに胎児診断の有無、不整脈の種類、臨床症状、家族歴、基礎疾患の有無、治療、予後について後方視的に検討した。【結果】胎児期に診断された不整脈は22例(42%)で、上室性・心室性期外収縮(PAC、PVC)が17例、心房粗動(AF)が2例、QT延長症候群(LQTs)が1例、洞徐拍が2例であった。新生児に診断された不整脈は30例(58%)で、PAC、PVCが21例、発作性上室性頻拍(PSVT)2例、洞徐拍1例、LQTs2例、促進型心室固有調律1例、心室細動(Vf)1例、完全房室ブロック2例だった。母体の家族歴は5例(9.6%)で、LQTs2例、Marfan症候群1例、SLE1例であった。基礎疾患合併例は6例(1.2%)あり、染色体異常4例、先天性心疾患8例、先天性筋ジストロフィー1例、結節性硬化症1例であった。胎児期に治療介入した症例は、AFの1例のみでジゴキシンの経胎盤的投与で自然消失した。新生児期に治療したのは4例(13%)で、そのうち18トリソミー児に心疾患を合併したVf1例のみ予後不良であった。【考察】胎児期や新生児期に発見された期外収縮は全例が軽症で、生後6ヶ月以内には自然消失した。治療を要した大部分の頻脈性・徐脈性不整脈は早期治療や予防内服により予後良好であったが、基礎疾患を合併したVf症例は予後不良で、家族への十分な説明が必要と考えられた。【結語】胎児期・新生児期に早期発見・治療介入することで生後の循環動態の安定化や不整脈の改善が期待される。