[II-P02-4-02] Assessment of liver fibrosis in Fontan-associated liver disease
Keywords:FALD, Shear wave elastography, 肝線維化
【背景】Fontan手術(F術)後合併症の1つに肝線維化、肝硬変がみられる。しかし、経時的進行を反映する血清マーカーや画像検査法は存在せず、現状の gold standardは肝生検であることから、非侵襲的評価法の確立が望まれる。
【方法】対象は、当院で2021年3月から2024年2月にshear wave elastography(SWE)で肝硬度測定を行ったF術後の21症例である。個々の症例における血清マーカー、心臓カテーテル検査所見、肝硬度に関して診療録を用い後方視的に検討した。
【結果】男性7例、年齢中央値7歳、F術後観察期間中央値5年、経皮的肝生検施行2例であった。肝硬度は中央値19.6kPa、中心静脈圧(CVP)は中央値14mmHg。術後年数とFIB4-index、MELD-XIはそれぞれ正の相関(ρ=0.67、p<0.01/ρ=0.54、p=0.01)を示したが肝硬度には見られなかった。CVP低値群(<14mmHg)に比べ高値群(≧14mmHg)で肝右葉の硬度が高い傾向がみられた。また、3例に肝内腫瘤(肝細胞癌1例(術後24年)、肝限局性結節性過形成2例(術後9年、10年))がみられ、他の症例よりγGTPが優位に高値(p=0.031)を示したが、肝硬度に有意差はみられなかった。肝生検施行2症例はそれぞれF術後8年、10年で血清マーカーは正常であったが、肝硬度は12.9、13.7kPaと高値、組織学的新犬山分類は F3A1、F2A1であった。
【考察】SWEは経年変化、血行動態指標と相関は得られず、単独で肝線維化の評価を行うのは難しい。しかし、F術後患者において肝硬度は高値であり、術後約10年で既に組織学的に肝線維化の所見を呈していた。
【結語】小児期よりSWEを含めた様々なモダリティで肝線維進行を予測し、肝生検での組織評価のタイミングを図ることが肝要である。
【方法】対象は、当院で2021年3月から2024年2月にshear wave elastography(SWE)で肝硬度測定を行ったF術後の21症例である。個々の症例における血清マーカー、心臓カテーテル検査所見、肝硬度に関して診療録を用い後方視的に検討した。
【結果】男性7例、年齢中央値7歳、F術後観察期間中央値5年、経皮的肝生検施行2例であった。肝硬度は中央値19.6kPa、中心静脈圧(CVP)は中央値14mmHg。術後年数とFIB4-index、MELD-XIはそれぞれ正の相関(ρ=0.67、p<0.01/ρ=0.54、p=0.01)を示したが肝硬度には見られなかった。CVP低値群(<14mmHg)に比べ高値群(≧14mmHg)で肝右葉の硬度が高い傾向がみられた。また、3例に肝内腫瘤(肝細胞癌1例(術後24年)、肝限局性結節性過形成2例(術後9年、10年))がみられ、他の症例よりγGTPが優位に高値(p=0.031)を示したが、肝硬度に有意差はみられなかった。肝生検施行2症例はそれぞれF術後8年、10年で血清マーカーは正常であったが、肝硬度は12.9、13.7kPaと高値、組織学的新犬山分類は F3A1、F2A1であった。
【考察】SWEは経年変化、血行動態指標と相関は得られず、単独で肝線維化の評価を行うのは難しい。しかし、F術後患者において肝硬度は高値であり、術後約10年で既に組織学的に肝線維化の所見を呈していた。
【結語】小児期よりSWEを含めた様々なモダリティで肝線維進行を予測し、肝生検での組織評価のタイミングを図ることが肝要である。