[II-P02-5-05] Consideration of measurement methods for atrial septal defect
Keywords:ASD, キャリブレーション, ARP
【背景】当院では、心房中隔欠損症 ( Atrial Septal Defect:ASD )に対する経カテーテル的閉鎖術の際、デバイスサイズ選択はバルーンサイズを参考にしている。計測には経食道心エコーと血管撮影装置を用いており、双方の計測結果を考慮している。血管撮影装置で計測を行う際には、装置に表示されるサイジングバルーンのマーカーを平面画像上でキャリブレーションを行った上で数値を算出する。現状、装置に表示される2次元画像でのキャリブレーションでは3次元方向を考慮していないため、測定結果の信憑性に限界がある。【目的】サイジングバルーンマーカーを用いた計測方法と血管撮影装置のアイソセンターを考慮した計測方法を比較検討する。【方法】サイジングバルーン長軸方向をFlat Panel Detector ( FPD )に対して平行となる角度を0度とし、0度~50度まで10度ずつ角度を変化させ画像を取得した。得られた画像よりサイジングバルーンのマーカーを用いたキャリブレーション( BC法 )と血管撮影装置アイソセンターを考慮したキャリブレーション( ARP法 )で対象物の計測を実施した。得られた計測値から真値に対する誤差を算出した。【結果】BC法を用いた計測方法では、マーカーの角度が40度以上になると計測不能であった。計測可能な範囲では角度の大きさに比例して誤差が増大し、最大で13.3%の誤差であった。一方、ARP法を用いた計測方法では計測誤差は±4%未満であった。【考察】BC法では三次元方向を考慮できないため、角度が増す毎に過大評価となり得る。ARP法においては角度により生じる影響は少ない。現状、多くの施設でサイジングバルーンマーカーを使用したキャリブレーションによる計測が行われており、今後ASD症例の実臨床における計測精度を検討している。更にアイソセンターを考慮した計測方法を使用することで様々な心臓形態に対応可能であり、他疾患症例における計測方法にも有用であると考えられる。