第60回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター発表

多領域

ポスター発表(II-P02-5)
多領域1

2024年7月12日(金) 16:15 〜 17:05 ポスター会場 (2F 多目的ホール)

座長:宗村 弥生(山梨県立大学看護学部)

[II-P02-5-06] 小児心臓手術における人工心肺中の新鮮凍結血漿投与のTEG Platelet Mappingによる効果判定

坂尾 和哉1, 西部 伸一2, 吉田 拓司1, 梅津 昭宏1, 八木 健輔1, 熊谷 しづか1, 吉田 大地1, 宇山 一輝1, 蓼沼 沙紀1, 櫻井 康裕1, 村山 俊成1 (1.東京都立小児総合医療センター 臨床工学技士室, 2.東京都立小児総合医療センター 麻酔科)

キーワード:TEG Platelet Mapping, 小児心臓手術, 新鮮凍結血漿

【背景】当院では、人工心肺(CPB)開始時のフィブリノゲン(FB)測定値(Clauss法)に基づいて、離脱時のFBを150 mg/dL以上に保つ目的で、復温時にCPBから新鮮凍結血漿(FFP)を投与している。【目的】成人ではTEG Platelet Mapping(TEG-PM)ActFのMA値とCPB中のFB値との間に強い相関があることが報告されている。小児心臓手術におけるCPB中のFFP投与の効果判定へのTEG-PMの有用性について検討する。【方法】CPB復温時にFFPを投与した小児心臓手術症例のうち、投与前後にTEG-PMを測定した症例を抽出し、後方視的にFB値との相関を検討した。FFP投与前後のFB値、TEG -PM ActF-MA値の比較にはWilcoxon符号付順位検定を、FBとActF-MA、血小板数(PLT)とHKH-MAからActF-MAを引いた値(HKH-ActF)との相関はSpearmanの順位相関係数を用いて検定した。数値は中央値(四分位範囲)で示す。【結果】7例が対象となった。体重(kg)は8.7、8.6、8.7、2.5、8.0、3.8、3.4でそれぞれに対し、350、350、360、335、345、345、365のFFP(mL)を投与した。FFP投与前後でFBは90 mg/dL(60, 119)から198 mg/dL(178, 208)(P = 0.016)に、ActF-MAは0(0, 0)から2.5(2.3, 5.9)(P = 0.016)に増加した。FBとActF-MA、PLTとHKH-ActFの間にはそれぞれr = 0.87(P = 0.0002)、r = 0.81(P = 0.0007)と強い相関が認められた。【考察・結論】小児の人工心肺においてTEG-PMはFBおよびPLTと強い相関を示し、CPB中のFFP投与の効果判定に有用である。