[II-P03-4-06] A study of cases atrioventricular valve intervention was performed for atrioventricular valve regurgitation in single ventricle disease at our hospital
Keywords:機能的単心室, 房室弁逆流, 弁形成
【背景】小児における房室弁形成術の成績は向上しているが,単心室疾患における房室弁逆流の重症度は予後に起因する.今回,当院で経験した症例の術式と成績について,後方視的に検討した.【対象】1995年1月から2023年3月の期間に追跡可能であった機能的単心室症103例のうち,房室弁逆流に対して房室弁介入(形成術または弁置換術)を施行した計10例を対象とした.その疾患,手術時年齢とタイミング,術式,弁機能の推移,転機に関して検討した.【結果】10例中asplenia 4例,polysplenia 1例であった.疾患としては,unbalnced AVSD 4例, PA with IVS 1例, congenital MS 1例, single LV1例, single RV 2例, HLHS 1例であった.共通房室弁形成術の入院死亡は2例(20%)であった.介入時期はBDG前が2例,BDG時が6例,TCPC時が2例であった.術式は,cleft closureが4例,annuloplastyが3例(Kay 法 2例,Bridging 法 1例),edge-to-edge repair 6例(全て心膜パッチ補填)であった. annuloplasty単独群1例,edge-to-edge repair単独群 5例,複合形成が3例,弁置換が1例であった.術前房室弁逆流の程度は6例でsevere,4例でmoderateであった.そのうち術後mild以下の症例が7例であった.その他の3例は死亡もしくはFontan未到達である.転機としては,TCPC到達7例(70%),BDG前死亡 1例, TCPC時死亡1例であった.【考察】房室弁に手術介入を要した症例は比較的予後良好な経過を辿っている.死亡例に関しては房室弁逆流が制御できなかったのが要因と考える.機能的単心室における房室弁形成術の死亡の危険因子は,3ヶ月未満,4kg未満の体重,HLHS,Norwood手術があげられるが2症例ともにこれを満たしている.機能的単心室における房室弁への介入時期,術式などの治療戦略は重要である.小児の房室弁疾患外科治療においては房室弁形成術が主体と考えられるが,患児の年齢や体重を加味し,症例に応じて弁置換術も有効だと考えられる.