[II-PD9-1] 小児への植込型デバイスの適応とその限界について
Keywords:心臓移植, 補助人工心臓, 心不全
【目的】補助人工心臓(VAD)は心臓移植待機可能時間の延長と待機中の症状改善を可能とする有用なデバイスである。植込型VADの小型化が進み、体外式デバイスが主流の小児へも適応が広がっている。当院での植込型VADの小児(18歳未満)実施例を検証する。
【対象】2018年4月から現在までに当院で植込型VAD留置術を行った10例。
【結果】対象の年齢中央値: 13.5 (7.0-17.5) 歳、体重中央値: 32.6 (21.6-53.1) kg、BSA中央値: 1.19 (0.88-1.57) m2。原因疾患は拡張型心筋症: 6例 (筋ジストロフィー2例)、先天性心疾患: 2例、拘束型心筋症: 1例、虚血性心筋症: 1例で、全例心臓移植適応判定取得。術前IMTERMACS profileは1: 3例、2: 2例、3: 5例。特に小体格の患者 (25kg以下)では、術前CTによるCADシュミレーションでデバイス留置可否を判定し、low flow alarmの設定変更を実施。使用デバイスはHVAD: 6例、HeartMate3: 4例。デバイス留置位置は左室心尖: 9例、経心房中隔左房: 1例で、併施手術は三尖弁形成: 3 例、CABG: 1例、RVAD留置: 1例 (後に離脱)、フォンタン手術: 1例。術後平均補助期間は869日で、主要合併症はドライブライン感染: 3例、脳合併症: 2例(硬膜下血腫: 1例、画像上脳梗塞: 1例、症状遷延なし)、重症右心不全: 1例 (Fontan conversion実施)、大動脈弁閉鎖不全: 1例 (大動脈弁閉鎖実施)。全患者で体重増加を認め、直近の1例以外は全員自宅退院可能であった。転帰は心臓移植到達: 3例(補助期間: 1314日、812日、239日)、補助中: 6例、離脱: 1例(後にHeartMate 3再導入し移植待機中)。
【結語】植込型VADは小児患者においても良好な成績を示し自宅での心臓移植待機を可能としている。現在のデバイスでは患者体重20kg前後がその適応下限と思われる。
【対象】2018年4月から現在までに当院で植込型VAD留置術を行った10例。
【結果】対象の年齢中央値: 13.5 (7.0-17.5) 歳、体重中央値: 32.6 (21.6-53.1) kg、BSA中央値: 1.19 (0.88-1.57) m2。原因疾患は拡張型心筋症: 6例 (筋ジストロフィー2例)、先天性心疾患: 2例、拘束型心筋症: 1例、虚血性心筋症: 1例で、全例心臓移植適応判定取得。術前IMTERMACS profileは1: 3例、2: 2例、3: 5例。特に小体格の患者 (25kg以下)では、術前CTによるCADシュミレーションでデバイス留置可否を判定し、low flow alarmの設定変更を実施。使用デバイスはHVAD: 6例、HeartMate3: 4例。デバイス留置位置は左室心尖: 9例、経心房中隔左房: 1例で、併施手術は三尖弁形成: 3 例、CABG: 1例、RVAD留置: 1例 (後に離脱)、フォンタン手術: 1例。術後平均補助期間は869日で、主要合併症はドライブライン感染: 3例、脳合併症: 2例(硬膜下血腫: 1例、画像上脳梗塞: 1例、症状遷延なし)、重症右心不全: 1例 (Fontan conversion実施)、大動脈弁閉鎖不全: 1例 (大動脈弁閉鎖実施)。全患者で体重増加を認め、直近の1例以外は全員自宅退院可能であった。転帰は心臓移植到達: 3例(補助期間: 1314日、812日、239日)、補助中: 6例、離脱: 1例(後にHeartMate 3再導入し移植待機中)。
【結語】植込型VADは小児患者においても良好な成績を示し自宅での心臓移植待機を可能としている。現在のデバイスでは患者体重20kg前後がその適応下限と思われる。