[III-CSY5-6] 小児心臓血管外科の地域拠点化に向けてー中国四国地方の現況と問題点―
キーワード:施設拠点化, 小児心臓血管外科, 中国四国地方
緒言:小児心臓血管外科領域に関して、地域の拠点化の整備が進められている。現況の教育体制、専門医制度、医局制度さらには地域医療の維持等があり、なかなか現実的に推進するためには解決すべき問題が山積している。一方で日本における先天性心疾患施設が、諸外国と比較して非常に多く、1施設あたりの症例数のばらつきが多いことで成績の均てん化にも影響していることが証明された(Yoshimura N et.al. JTCVS 2023:165(4):1541-1550)。このデータをもとに小児循環器学会の提言が提出された。我々は地域拠点化を推進していくことで、小児心臓血管外科領域の成績の向上と、これに伴う若手育成を推進していかなければならない。中国四国地方における現状について報告し、現在の問題点につき論じたい。方法:岡山大学での外科専門医研修の現状と、中四国地方でのJCVSD参加施設の把握と現状を把握する。結果:中国四国地方は他の医療圏と比較して、東西に長い広域圏である。この圏内ではJCVSD参加は54施設である。そのうち先天性心疾患を標榜しているのは11施設であるが、複雑先天性心疾患を行っている施設は6施設に過ぎない。さらに教育機関として重要である大学医学部は、9つの国立大学と1つの私立大学があるが、大学で先天性心疾患を標榜しているのは4大学である。まとめると、中国四国地方においては、複雑先天性心疾患に対応できる施設は6施設で、そのうち大学病院が4施設、一般病院(公立含む)は2施設である。考察:広域圏であるが、南北領域には患者搬送において問題点も多い。地域の拠点化を目指して、また大学での卒前境域も含めた取り組みを学閥を超えて行うことが重要であると考える。