第60回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

多領域

一般口演26(III-OR26)
多領域1

2024年7月13日(土) 09:00 〜 10:00 第7会場 (4F 404-406)

座長:吉田 佳織(大阪母子医療センター)
座長:水野 芳子(東京情報大学)

[III-OR26-05] NICUで不穏状態にある先天性心疾患患児に対する看護師の鎮静薬使用の状況判断と困難感

小倉 彰子1, 永田 雅貴1, 光藤 友美1, 薬師神 裕子2 (1.愛媛大学 医学部 附属病院, 2.愛媛大学 大学院 医学系 研究科 看護学専攻)

キーワード:鎮静薬, 看護師の判断, NICU

【背景】近年、痛みのケアガイドラインが浸透し、新生児医療における鎮静の重要性が高まっている。NICUで不穏状態にある先天性心疾患患児が、看護師の非薬理的介入による効果が見られない場合、医師の指示で鎮静薬を投与するが、不穏状態の評価や鎮静薬使用の状況判断は個々の看護師に委ねられ、鎮静薬の適切な使用に困難感を感じている。【目的】不穏状態にある先天性心疾患患児へ鎮静薬投与時の判断基準、使用の理由、使用への困難感や考えを明らかにする【方法】A病院NICU看護師を対象にマイクロソフトFormsを使用したWebアンケート調査【結果】看護師の平均経験年数は11.0年、NICU経験年数は2.6 年であった。鎮静薬使用の判断基準は、啼泣が20分以上持続する(86.3%)、バイタルサインの変動が大きい(95.4%)、覚醒が1時間以上持続し持続し消化不良(72.7%)などであった。使用理由には看護師側の要因ではマンパワー不足、寝かしつけができなかった、事故のリスクが高いと考えたなどが50%。使用に困難感や迷いがあると答えた看護師は91%。本当に今使用するときなのかわからない、自分の技術が未熟であるから、自分が担当でなければ使用しなくてよかったのではないか、原因がマンパワー不足によるとわかっているのに使用するのはよいのかと考えたなどが71%であった。【考察】看護師のNICUでの経験年数は2.6年と浅く、不穏状態にある先天性心疾患患児の安静を保つために鎮静薬を使用したがその判断は本当に正しかったのか、看護師側の要因で使用していることが正しいのか困難感を感じながら使用していることが明らかとなった。【結論】鎮静薬使用の機会は多いが患児の状態の評価や使用の状況判断に曖昧な側面があり鎮静薬使用に困難感を抱えている。そのため鎮静薬使用を客観的に評価できるスケールの導入により状況判断に活かすことが必要と考える。