[III-OR28-05] Cardiac rehabilitation and physical activity after ventricular assist device implantation in a pediatric case with Fontan circulation
Keywords:pediatric VAD, Fontan exercise, vad rehabilitation
【はじめに】
不整脈原性右室心筋症(ARVC)に対してFontan手術を行い、植込型左室補助人工心臓(iLVAD)のHeartMate3(HM3)を装着した小児患者の事例を経験した。国内で両心不全の小児患者にFontan手術とiLVAD装着を近接2期に行った症例報告はない。今回、Fontan+iLVAD循環患者の日常生活の活動量を向上させるために下肢筋力に着目した包括的心臓リハビリテーション(リハビリ)を行ったため、経過を検証し報告する。
【対象・方法】
6歳で初めてST上昇を指摘され10歳でARVCと診断された、10歳代前半女性(BSA:1.31kg/m2)。心臓移植登録を経てFontan手術後、HM3植え込み手術を受けた。術後から退院までの診療録、装着した活動量計からデータを収集し後方視的に検証した。
【結果】
術後2日目座位の状態でFontan循環を意識し下肢筋力増強運動を開始した。術後3日目立位を開始したが立位時HM3のpump flowが3.0L/minから2.2L/minへ低下し、気分不良を認めた。術後14日目立位保持可能となり、15日目足踏みを開始した。足踏みによってpump flowが2.4L/minから3.0L/minへ増加した。術後25日目歩行リハビリを開始し、経時的に歩数は最大2500歩まで増加し下腿周径最大膨隆部は22.5cmから26.5cmに増加した。術後116日目に退院となり、復学できた。
【考察】
HM3装着のみの同年代小児患者の経過(到達日数,Median[IQR]n=7:端坐位2.0[1.5-2.6]日、立位4.7[3.5-4.9]日、足踏み6.0[4.0-6.5]日、歩行13.0[9.0-13.4]日)と比較すると活動レベルの向上に時間を要しておりFontan循環の影響が考慮された。大内らはFontan循環患者のCPXにおける運動耐容能の平均値はpeakVO2(%of normal)61%と低値であり、一方でpeakVO2(%of normal)≧80%となるFontan循環群では小児期の日常生活の活動量が関係していると報告している。本症例の経過からは下腿周径増加と下肢筋力運動によりHM3のpump flowが安定しており活動量増加と関連していると考えられる。
不整脈原性右室心筋症(ARVC)に対してFontan手術を行い、植込型左室補助人工心臓(iLVAD)のHeartMate3(HM3)を装着した小児患者の事例を経験した。国内で両心不全の小児患者にFontan手術とiLVAD装着を近接2期に行った症例報告はない。今回、Fontan+iLVAD循環患者の日常生活の活動量を向上させるために下肢筋力に着目した包括的心臓リハビリテーション(リハビリ)を行ったため、経過を検証し報告する。
【対象・方法】
6歳で初めてST上昇を指摘され10歳でARVCと診断された、10歳代前半女性(BSA:1.31kg/m2)。心臓移植登録を経てFontan手術後、HM3植え込み手術を受けた。術後から退院までの診療録、装着した活動量計からデータを収集し後方視的に検証した。
【結果】
術後2日目座位の状態でFontan循環を意識し下肢筋力増強運動を開始した。術後3日目立位を開始したが立位時HM3のpump flowが3.0L/minから2.2L/minへ低下し、気分不良を認めた。術後14日目立位保持可能となり、15日目足踏みを開始した。足踏みによってpump flowが2.4L/minから3.0L/minへ増加した。術後25日目歩行リハビリを開始し、経時的に歩数は最大2500歩まで増加し下腿周径最大膨隆部は22.5cmから26.5cmに増加した。術後116日目に退院となり、復学できた。
【考察】
HM3装着のみの同年代小児患者の経過(到達日数,Median[IQR]n=7:端坐位2.0[1.5-2.6]日、立位4.7[3.5-4.9]日、足踏み6.0[4.0-6.5]日、歩行13.0[9.0-13.4]日)と比較すると活動レベルの向上に時間を要しておりFontan循環の影響が考慮された。大内らはFontan循環患者のCPXにおける運動耐容能の平均値はpeakVO2(%of normal)61%と低値であり、一方でpeakVO2(%of normal)≧80%となるFontan循環群では小児期の日常生活の活動量が関係していると報告している。本症例の経過からは下腿周径増加と下肢筋力運動によりHM3のpump flowが安定しており活動量増加と関連していると考えられる。