The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster Session

術後遠隔期・合併症・発達

Poster Session(III-P01-1)

Sat. Jul 13, 2024 9:00 AM - 10:00 AM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:岡 秀治(旭川医科大学 小児科学講座)

[III-P01-1-02] Risk and treatments of protein losing enteropathy in patients with Fontan circulation

川村 悠太, 高月 晉一, 川合 玲子, 清水 由律香, 小柴 光央 (東邦大学医療センター大森病院 小児科)

Keywords:フォンタン術後, 蛋白漏出性胃腸症, プレドニン

【背景】フォンタン術後の蛋白漏出性胃腸症(PLE)は4-10%にみられ、予後は不良であり確立された治療法はない。【目的】フォンタン術後のPLE発症の患者背景と治療について検討した。【方法】当院にてフォンタン型手術を行った症例を対象とし、PLE発症群と非発症群に分け患者背景を比較した。またPLEに対する治療内容と効果について検討した。【結果】1991年から2022年に当院でフォンタン型手術を行った26例を対象とした。PLE群は7例(27%)であり、フォンタン手術からPLE発症までの期間は中央値9か月(1-387か月)、発症年齢は中央値4歳(2-42歳)だった。PLE群と非PLE群では、主心室(右室 57% vs 63%, p=0.67)、術式(EC-TCPC 86% vs 95%, p=0.47)、fenestrationあり(14% vs 11%, p=1.00)、Fontan手術時年齢(中央値3歳vs 3歳, p=0.85)、最終受診時BNP値(中央値71.1pg/ml vs 14.3pg/ml , p=0.47)で差はなかった。また、術後カテーテル結果(PLE群 4例、非PLE群 10例)では、肺動脈圧(中央値13.5mmHg vs 12.5mmHg, p=0.25)、心エコーでは中等度以上の房室弁逆流(1例 vs 4例, p=1.00)と有意差はなかった。治療は全例でプレドニゾロン(PSL)投与を行っており、利尿剤開始または増量が5例(71%)、IVIG投与4例(57%)、低分子ヘパリン投与2例(29%)、アルブミン投与2例(29%)、サンドスタチン投与1例(14%)であった。PSL投与期間は中央値で1か月間(3-147年間)であった。PLE再発例は4例(57%)、PSLが中止できたのは3例(43%)で、発症から5か月間(3-66か月間)要した。PSL治療の漸減中止が困難であった1例にリンパ管塞栓を行い、術後にPSLを中止できている。【結語】PLE発症においてフォンタン循環動態や患者背景に明らかなリスク因子はなかった。ステロイド治療は比較的有効であるが離脱が困難な症例が存在した。