[III-P01-5-02] Treatment outcomes for pulmonary vein stenosis
Keywords:肺静脈狭窄, ステント, 総肺静脈還流異常
【はじめに】肺静脈狭窄症(PVS)は、肺高血圧症や右心不全をきたし、しばしば致死的である。PVSの治療効果を明らかにし、今後の治療戦略を立てる事が目的である。【対象・方法】対象は2000年以降に出生した児でPVSに対して治療介入を要した症例。心疾患の種類(無脾症(RAI)、単心室(SV)、二心室疾患(BV))、PVSの初回治療介入時期、ステント留置の有無、予後を後方視的に検討した。基本方針は初回外科的介入、その後PVSを認めた場合、カテーテル治療あるいは外科的治療とした。【結果】治療介入を要したPVSは58症例(SV32例、BV26例)。総肺静脈還流異常(TAPVC)35例、SVのTAPVC 2b 16例、部分肺静脈還流異常3例、肺静脈還流異常なし4例。うち死亡はSV 15例(47%)、BV 4例(15%)。SV群ではRAI 25例中11例(44%)、RAI以外7例中4例(57%)が死亡した。死亡原因はPVS 9例、PVS以外6例で、死亡時年齢(中央値)はそれぞれ14ヶ月(3ヶ月-93ヶ月)、6.5ヶ月(日齢20-172ヶ月)であった。SV群での初回手術時年齢は、生存群、死亡群でそれぞれ12ヶ月(日齢0-61ヶ月)、3ヶ月(日齢1-97ヶ月)であった。BV群でPVSで死亡した3例の死亡時年齢は6ヶ月、1歳7ヶ月、2歳4ヶ月、死亡原因不明が1例(染色体異常合併例)認めた。PVSに対するステント留置例は10例(SV 5例、BV 5例)、20病変、各群で5人中2人が死亡した。6mm以下のステント17病変では開存1病変、高度狭窄11病変、完全閉塞5病変、7mm以上のステント3病変は全例開存していた。SVでPVSで死亡した9例中のうちステント非留置群7例の死亡時年齢は7ヶ月(3ヶ月-37ヶ月)、ステント留置群2例ではそれぞれ44ヶ月、93ヶ月であった。【結語】単心室でのPVSは二心室症例に比べ予後は不良であり、死亡例で介入時期3ヶ月と生存例と比較して早かった。7mm以上のステントの開存率が良好であった。外科的治療を遅らすことが予後を改善する可能性がある。