The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

その他(外科)

Poster Session(III-P02-5)

Sat. Jul 13, 2024 10:00 AM - 11:00 AM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:村山 弘臣(あいち小児保健医療総合センター心臓血管外科)

[III-P02-5-10] Surgical treatment of cor triatriatum

永田 恵実1, 若松 大樹1, 横山 斉1, 桃井 伸緒2, 青柳 良倫2, 林 真理子2, 高野 峻也2 (1.福島県立医科大学 心臓血管外科, 2.福島県立医科大学 小児科)

Keywords:三心房心, 外科治療, 肺うっ血

【背景】三心房心は全先天性心疾患の0.1%と稀であるが、急激な血行動態の破綻を来すことが多く、早期診断と治療を念頭に置く必要のある疾患である。【目的】当院における三心房心の治療成績を検討し、周術期管理や外科手術における注意点を明らかにする。【方法】2012年から2022年の間、当院で外科治療を行った三心房心8例を対象とした。【結果】症例は新生児:2例、乳児:4例(2-5ヶ月)、学童期以降:2例(6, 53歳)。いずれも術前に経胸壁心エコー検査により三心房心の診断がなされ、Lucas-schmidt分類はIA:4例、IB-1:2例、IB-2:2例であった。待機手術は学童期以降の2例のみであり、成人症例は重度僧帽弁閉鎖不全症と慢性心房細動合併例であった。残る6例は肺うっ血による心不全で緊急手術を要した。緊急手術症例のうち乳児2例においては、体重増加不良の指摘から1-2週経過後に、肺うっ血による全身状態不良で当院へ搬送となった。搬送直後に循環動態が破綻し、辛うじて心停止を回避して手術へ到達した。手術は8例全例で隔壁切除を実施し、true/accessory chamberの同定には右上肺静脈もしくは左心耳より挿入した外科ゾンデをガイドとした。手術死亡は0例。院内死亡は1例、早産・低出生体重児でLOSにより、生後21日、体重1936gで緊急手術を施行した。手術により肺うっ血は解除されたが、左室低形成による術後難治性胸水を認め、腎不全、敗血症を来して術後93日目に死亡した。残る7例はいずれも症状の改善を認めており、術後心不全なく経過している。【結語】chamber間狭窄の進行による急激な循環動態の悪化を来すことがあり、外科治療の時期を逸しないことが重要である。限られた視野の中で、外科ゾンデを用いた心房の構造把握は有用であった。