第60回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター発表

学校保健・疫学・心血管危険因子

ポスター発表(III-P03-1)
学校保健・疫学・心血管危険因子

2024年7月13日(土) 11:00 〜 12:00 ポスター会場 (2F 多目的ホール)

座長:手島 秀剛(市立大村市民病院 小児科)

[III-P03-1-02] 学校心臓検診にてQT延長を指摘された症例の管理継続についての検討

西川 小百合 (嬉野医療センター 小児科)

キーワード:心臓検診, QT延長, Holter心電図

【背景】心臓検診においてQT延長を指摘された症例で来院時にSchwartzの診断基準を満たす症例は当院では見られていない、このためQT延長症候群疑い例としての管理となり年1回の定期受診をお願いしている状況である。このような症例について管理不要と判断する基準があってもよいのではないかと思われる。QTc値には日内変動があり、夜間睡眠中の最高心拍時にQTc値が最も延長しやすいとされている。健常児における睡眠中の最高心拍時のQTc値には年齢毎の暫定基準値の報告がなされておりこれを用いて管理不要としうる症例を判別し管理不要とする基準の1つとできるかを検討した【目的】心臓検診においてQT延長を指摘された症例を管理不要と判断しうる判断方法を検討する【方法】夜間睡眠中の最高心拍時におけるQTc値を、心臓検診にてQT延長を指摘された症例群と他の症例群のHolter心電図検査において測定し、報告されている暫定基準値で評価した【結果】症例数 QT延長群 17例 その他の症例群 49例において夜間のHR上昇時のQTc値はQT延長群 中央値 0.475sec その他の症例 中央値 0.442secQT延長群において夜間睡眠中の最高心拍時の暫定基準値に達しなかったのは2例だった【考察】心臓検診おいてQT延長と判断された症例は他の疾患と比してQTc値は延長しており健診の妥当性は確認できたが、夜間睡眠中の最高心拍時のQTc値を評価することで管理継続の終了を検討できる症例はある【結論】Holter心電図におけるQTc値を評価することで管理不要と評価しうる症例もある。