[III-P03-2-06] A case of ventricular septal defect and tracheomalacia diagnosed due to RSV infection
Keywords:RSウイルス, 気管軟化症, 心室中隔欠損症
【症例】生後9ヶ月 男児【診断】心室中隔欠損症, うっ血性心不全, 肺動脈性肺高血圧症, 気管軟化症, 内臓逆位 【病歴】気道症状を契機に, RSウイルス感染の診断を受け前医へ紹介となった。内臓逆位, 心室中隔欠損症と診断され, 当科へ転院搬送となった. RSウイルス肺炎に対し, ステロイド及び酸素療法を開始した. 第2病日に呼吸状態悪化を認め, 気管内挿管, 人工呼吸器管理を開始した. 経過中, 2度抜管を試みたが, 呼吸器状態の再増悪を認め再挿管となった. 気管支鏡検査にて気管軟化症の診断となった. RSウイルス感染を考慮し発症から開心術までの期間を設ける方針とし, 第30病日に気管切開術を施行した. 第65病日に全身麻酔下心臓カテーテル検査・心血管造影検査を施行し, 肺体血流比6.6, 平均肺動脈圧 44mmHg, 肺血管抵抗1.6Wood単位であった. 第95病日に心室中隔欠損閉鎖術を施行した. 術後一酸化窒素吸入離脱困難のため, 術後7日にtadalafil内服を開始し, 術後9日に一酸化窒素吸入を離脱した. ICU滞在期間は10日であった. 以後は呼吸状態は安定し, 術後44日に人工呼吸器を離脱し, 術後69日に気管切開チューブのみを装着した状態で退院となった.【考察】先天性心疾患患児は, RSウイルス感染症により, 重篤な下気道感染を発症しやすいことが知られており, また体外循環は急性期RSウイルス感染の呼吸症状を増悪させるという報告がある. 発症直後の心臓手術は, 発症直後の外科手術を回避した群と比較し, 気管挿管時間, ICU滞在時間が延長し, 術後合併症頻度が上昇することが報告されており, 本症例においても, 感染から心臓手術までに3ヶ月の期間を設けた. 術後合併症に関しても, 肺血管拡張薬の内服を追加したものの, 呼吸状態再増悪のエピソードなく経過した. 実際にどの程度の期間をあけるべきかについては, 今後の更なる症例の積み重ねが必要である.