The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Presidential Panel Discussion

Presidential Panel Discussion 2

Sat. Jul 13, 2024 10:50 AM - 12:20 PM ROOM 2 (5F 501)

座長:工藤 嘉公(くどうこどもクリニック)
座長:鎌田 政博(たかの橋中央病院 小児循環器内科)

[III-PPD2-2] 新規開業の小児科診療所にて心臓超音波検査がどのような面で強みとなるか

工藤 嘉公 (くどうこどもクリニック)

Keywords:心臓超音波検査, 小児科診療所, 受診動機

【背景】小児循環器専門医が診療所を新規開院する時に、心エコーがあるのは診療所の強みになりえる。ただし超音波診断装置は高価であり、また小児科外来診察料(いわゆるマルメ)を採用することが多く、検査料の算定ができない例も多い。また2022年度の保険点数改定以降は、マルメの対象年齢が3歳未満から6歳未満となり検査料の対象は減ったと考える。【目的】小児科診療所において心エコーが、売り上げ含め強みとしてどれほど貢献するかを調査する。【方法】対象は開院の2018年7月から2023年12月までに心エコーを施行した432例。検査時年齢、検査の契機、心エコーが初来院のきっかけかを検討。また、検査料が算定できたかを保険点数改定の前後で分けて検討。【結果】432例にのべ560回の心エコー検査し、年齢は中央値3.3歳(0歳-36歳)、契機は心雑音112例、胸痛107例、心疾患フォロー42例、呼吸障害38例、川崎病既往や疑い30例、チアノーゼ25例、不整脈21例、三音15例、体重増加不良12例、その他30例。心疾患の鑑別精査のため当院を初めて受診し心エコーでの診断を期待されたと考えられたのが171例(40%)。また、検査料を算定できたのは2021年度までが301例中164例(54%)、2022年度以降が131例中48例(37%)。【考察】検査料を算定できたのは212例で計200万円に届かず、装置が約500万円として売り上げで貢献したとは言えないが、心臓の精査を期待されて初来院が年間約31例あった。ホームページ等で小児循環器専門医であり心エコー検査ができる事を知り受診されたと考える。【結論】小児の心エコーを行っている診療所は少なく、紹介状なしでも心雑音や胸痛で受診できるのは患者には利便性がある。また、心雑音時や三音聴取時の精査、呼吸障害やチアノーゼなどを呈する循環器疾患の鑑別に便利であり診療の一助になる。