The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

競技スポーツ研究部会 » 【課題A】トップアスリート養成をいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題A】口頭発表②

Tue. Sep 7, 2021 1:30 PM - 2:40 PM Room 14 (Zoom)

Chair: Hirokazu Arai (Hosei University)

2:10 PM - 2:25 PM

[競技スポーツ-A-07] 筋電図を用いた社会人硬式野球チーム投手へのサポート事例報告

*Yoichi Ohta1, Norihiro Shima2 (1. Shizuoka University of Welfare, 2. Tokaigakuen University)

投球動作の映像は野球投手へのサポート手段として広く活用されているが、投球時の選手自身の意識や感覚は動作だけでは不明な点が多い。そこで、投球時の筋電図測定を実施し実際に意図した筋活動がみられるか、意図しなくてもどのような筋活動が行われているかを確認できれば、選手の意識や感覚を明確化(見える化)出来ると考えた。本サポート事例では、ダイナミックな動作が少ないものの、現場では投球の善し悪しを決定すると考えられている投球動作初期の軸足の筋活動の「見える化」に着目した。本サポートは、発表者の他に社会人硬式野球チームアナライザー1名(以下アナライザー)を中心に企画・実施された。サポート対象者は右投げ4名、左投げ2名であった。筋電図は、腹横筋、非軸足側の外腹斜筋および軸足側の中殿筋、内転筋、外側広筋、大腿二頭筋、前脛骨筋、内側腓腹筋から導出した。筋電図は無線筋電計を用いて測定した。投球動作と筋電図を同期させるために、ハイスピードカメラにて投球側側から240fpsで撮影をした。投球試技は、ストレートおよび変化球とし、ストレートはストライクが5球測定できるまで投球した。変化球はアナライザーが指示した球種を複数投球し、ストライクもしくは「良い球」がそれぞれ5球測定できるまで投球した。筋活動は、非軸足の離地から接地までを局面分けし局面毎に分析した。各筋の局面毎の筋活動結果は、選手内での球種間の違いや、選手間での筋活動の違いを比較するために使用された。選手へのフィードバックにより、選手の感覚と数値化された筋活動の違いが明白となり、選手自身の意識や感覚を見える化することに繋がった。また、指導者陣からは、動作では分からない選手の意識やイメージが見える化され、フォーム改造への取り組み方を共有できるとの意見があり、選手だけでなく監督やコーチなどチーム全体へのサポートにも役立つものとなったと考えられる。