日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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生涯スポーツ研究部会 » 【課題A】共生社会の実現に向けた生涯スポーツ政策と協働システムをいかに構築するか

生涯スポーツ研究部会【課題A】口頭発表②

2021年9月7日(火) 13:55 〜 15:00 会場17 (Zoom)

座長:吉岡 尚美(東海大学)

14:25 〜 14:40

[生涯スポーツ-A-06] パラスポーツ観戦意欲向上のための要因

パラ陸上における競技者意識と観戦者意識の関係性に着目して

*井上 幹智1、齊藤 まゆみ2、澤江 幸則2、松原 豊2 (1. 筑波大学大学院、2. 筑波大学)

国際パラリンピック委員会のビジョンとして「パラスポーツを通じたインクルーシブな社会の創出に向けて」が掲げられている。つまり、パラスポーツは多様性を認め障害のある誰もが活躍する場であり、共生社会へのヒントが詰まっている。しかし観戦者数という観点において陸上競技日本選手権大会とパラ陸上競技日本選手権大会を比較したところ、後者の観戦者数は少なくパラスポーツの社会的影響が効果的に享受されていないことが課題である。また、Kotler(1995)は、「観戦意欲向上には観戦者の期待を明確にした上でそれらに応えうる物事が備わっている必要である」としており、競技者のスポーツ価値意識と観戦者が期待する内容の一致が必要である。しかし、現状ではパラ競技者のスポーツ価値意識と観戦者がパラスポーツに期待する内容は明らかになっていない。

そこで本研究では、パラ競技者が抱くスポーツ価値意識と大学生が抱く競技への期待から今後のパラスポーツ観戦のあり方を検討する。

日本パラ陸上競技連盟強化指定選手及びT大学の共通体育受講者を対象とし、20XX年6月にアンケート調査を行った。パラ競技者へのアンケートでは、逢坂(1999)を参考にスポーツ価値意識に関する質問項目を設定し、ここから得られる結果と先行研究(上杉 1990)における健常の一流競技者のスポーツ価値意識との比較により、パラ競技者特有のスポーツ価値意識を明らかにした。

また大学生へのアンケート項目では藤田(2018)と押見(2010)を参考に「パラ競技観戦意欲」と「競技への期待」を設定し、パラ競技観戦意欲の高い者と低い者とをスポーツに期待する内容の観点から比較した。その結果パラ競技への観戦意欲向上に影響する要因が明らかとなった。