The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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専門領域別 » Pedagogy

体育科教育学 ポスター発表

[11 教ーポー01] 跳び箱運動における終末局面からの指導に向けた運動課題の検討

発生運動学的立場からの「教材づくり」の試み

〇Moriatsu Nakasone1, Tomonari Kikuchi2 (1.Tokyo Gakugei University, 2.Koriyama Municipal Asahigaoka Elementary School)

跳び箱運動における切り返し系の技の指導法に関しては、これまで数多く提唱されその有効性が確認されている。しかし、現在においても切り返し系の指導法が確立されているわけではなく現場の指導者によって様々である。金子(1987)はその著「跳び箱・平均台運動」において踏み切りからではなく着地から順に基礎技能を習得していくことを薦めているが、毎年のように提案される新しい指導法は助走から指導するものであり、それに加えて補助や新しい用具を用いた研究も多く、小学校現場では補助者の専門的能力や費用の面で中々実施することが難しい現状もある。教員養成系大学で器械運動の授業を担当している筆者は終末局面からの指導を実践しているなかで、1)運動中の補助を行わないことで新たな専門的技能や知識を獲得する時間を抑えることができること、2)年配の教員や体力的に補助ができない教員の負担を減らすことができること、3)終末局面から指導することで学習者の助走を抑え、怪我を軽減させることができること、4)どの局面の技能が不十分なのかが明確になる、などそのメリットを実感している。しかしながら、終末局面から指導をした研究がほとんどないために上記の有効性が実証されるにいたっていない。そこで本研究では、跳び箱運動において切り返し系の技を終末局面からの指導をする有効性を検証するにあたり、各局面と段階毎に取り上げる課題を検討していくこととしたい。上記の目的を達成するために、第一に学習指導要領や教科書さらにはこれまで市販された器械運動指導における文献や先行研究を収集した。第二に、それらで用いられている運動課題をマイネル(1981)の局面構造理論によって分類した。その後、筆者及び小学校教員である第二筆者によって発生運動学における動感アナロゴン理論をもとに運動課題を整理した。