[11 教ーポー03] 小学校6年生におけるネット型のゲームパフォーマンスに関する達成基準の事例的検討
攻守一体型「テニスの簡易型ゲーム」の単元を通して
小学校学習指導要領解説体育編のボール運動領域において、新たにテニスやバドミントンといった種目が示された。授業の質の保証に向けては、エビデンスに基いた適切な達成基準の設定が求められる。しかし、現状では、適切な達成基準を設定する根拠となるデータの蓄積は乏しい。そこで本研究は、小学校6年生のネット型の攻守一体の種目であるテニスを簡易化したゲーム中に期待しうるゲームパフォーマンスの達成基準を明らかにすることを目的とした。そのため、児童が行ったダブルスのメインゲームを撮影し、そこで発揮されたゲームパフォーマンスの分析を行った。その際、Memmet(2008)が提案した成功数と失敗数に10を加え、指数=「(成功数+10)/(成功数+10+失敗数+10)×100」を算出し、その指数が50を超えた場合を合格ラインと設定した(北村ほか、2014)。その結果、期待する達成基準をクラス全体の7割の児童が通過可能な達成率(中垣・岡出、2009)とした場合、今回適用したゲームでは、単元終了時には「打ちやすい位置に入る動き」、「コースの選択」、「相手コートに返球」、「元の位置に戻る動き」が達成可能であることが示唆された。