The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Poster (Subdiscipline)

専門領域別 » Biomechanics

バイオメカニクス ポスター発表

[05 バーポー06] 傾斜条件およびタイミング予測がボールキャッチ時の立位姿勢制御に及ぼす影響

〇Maiko Miura1, Fumi Hasebe1, Kasumi Ono1, Yume Sato1, Chiaki Ohtaka2, Motoko Fujiwara2 (1.Nara Women's University Graduate School, 2.Nara Women's University )

 姿勢制御能力はあらゆる身体運動の基盤となる能力であり、外乱条件下や不安定な状況といった悪条件下においても安定した姿勢を保持する能力は、動作の質を高めるために重要である。ボールキャッチを行う際、キャッチ前に発現する予測性姿勢制御(APA)では、ボールの重さ・速度・方向に応じて適切な制御が行われること、そして予測が不十分な場合は、生じ得る最大の外乱を想定した制御が行われることが報告されている(Scariot et al.,2016; Xie and Wang,2019; Zhang et al.,2019)。しかしながら、不安定な条件下での制御メカニズムや、キャッチタイミングに関する予測がAPAに与える影響については明らかではない。
 本研究では、傾斜条件やボール落下タイミングの予測が、ボールキャッチ時の立位姿勢制御に及ぼす影響を調べることを目的とした。健常女性を対象とし、上肢を水平前方に伸展した状態で、上方から落下するボール(1kg)をキャッチし、立位姿勢を保持することを課題とした。傾斜条件として水平、前傾(13度)、後傾(13度)の3条件、タイミング予測条件としてボール落下タイミングの教示あり、なしの2条件を設定し、三角筋、脊柱起立筋および下肢の筋活動や足圧中心動揺について比較・検討した。
 前傾条件では、他の2条件に比べて、ボールキャッチにより重心が前方にシフトし、姿勢の安定が崩れやすくなる。そのため、ボール落下タイミングの教示がない場合には、姿勢修正のための身体背部の筋活動が大きく現れると考えられる。一方、ボール落下タイミングの教示がある場合には、APAとしての身体背部の筋活動が顕著に起こると考えられる。発表では、傾斜条件やタイミング予測の影響やそれぞれの関連性、姿勢制御メカニズムなどについて論じる。