[05 バーポー07] 大学スポーツ選手における腰痛と脊柱運動および腰背部筋活動の評価
腰痛は、スポーツ選手においても発症しやすく、選手生命を脅かす可能性のある疾患である。しかし、スポーツ選手の腰痛の有無と歩行動作との関係に着目した研究はあまり多くない。そこで本研究では、バイオメカニクス的手法を用いて、歩行動作時の“動き”について詳細な分析を行い、腰痛有訴者の機能的特徴を捉えることを目的とした。対象はT大学硬式野球部とし、事前に実施した質問紙調査の結果に基づき、腰痛有訴者、健常者の計12名を無作為に抽出した。9mの自由歩行を3回以上行い、左右両足が歩行路に埋設したフォースプレートに乗った3回を分析対象試技とした。分析範囲は、右足接地から左足離地までとし、下肢の各関節角度、左右寛骨傾斜角度、床反力を算出した。結果、腰痛有訴者は健常者に比べて右足接地時の股関節屈曲角度が小さく、左右寛骨傾斜角度が大きかった。加えて、腰痛有訴者は健常者に比べて左右立脚時における床反力が小さかった。