The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Poster (Subdiscipline)

専門領域別 » Biomechanics

バイオメカニクス ポスター発表

[05 バーポー12] 下肢関節運動と板のたわみ計測によるスキー滑走分析

〇Kanji Saitou1 (1.Nagoya Gakuin University)

モーションセンサとひずみゲージを用いて、スキー滑走時の下肢関節運動とスキー板のたわみを計測した。右ブーツ内側と右大腿外側に六軸のモーションセンサを装着し、スキー滑走時の下腿部と大腿部の角速度を計測した。また、右スキー表面に三軸ひずみゲージと単軸ひずみゲージをそれぞれ二枚ずつ貼付し、滑走時のスキー板のたわみを検出した。実験参加者には平均斜度14度の斜面で、大回りターンと小回りターンで滑走してもらった。計測した角速度とひずみはフィルタ処理を施した後、それぞれのパワースペクトルを求め、さらに相互相関関数と自己相関関数を求めることで、滑走時の運動の特徴やスキーのたわみとの関係を調べた。

大回りターンでは、下腿部も大腿部も0.19Hzが主成分となっていた。スキー板ひずみの方が広い帯域の周波数成分が認められたが、同様に0.19Hzのパワーが大きく、次いで0.88Hz、0.38Hz、0.63Hz、2.12Hzで大きなパワーが認められた。小回りターンでは、下腿部、大腿部の動きは0.56Hzが主成分となっており、スキー板のひずみでは、同周波数成分も認められるが、その倍周波数の1.1Hzが主成分となっていた。
相互相関関数を見ると、大回りターンでは下腿部内外転角速度と下腿部・大腿部内外旋角速度が時間差0.1~0.3 sで位相は逆転しているが相関が高かった。下腿部の内外転角速度はひずみ6chの圧縮ひずみに1.0 s程度先行していた。下腿部と大腿部の内外旋角速度はほぼ同期して(時間差0.08 s)かつ同位相であった。小回りターンにおいても、角速度間、角速度ひずみ間の相関関係と時間差関係は大回りターンと同様な傾向で、相関係数は比較的高く、時間差は小さかった。