The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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発育発達 ポスター発表

[07 発-ポー04] アナロゴンを活用した鉄棒遊びに関する研究

〇Masataka Ebihara1 (1.Edogawa University)

児童期初期における学校体育の授業は「遊び」を含むものであることとされており、楽しみながら基礎的な動きを身につけることが目標とされている(文部科学省、2018)。特に、「できる」「できない」ということがはっきりとわかる器械を使った運動遊びにおいては、「できなかった」という経験がその後の器械運動への苦手意識を生むきっかけになりかねないことから、初期段階における指導の重要性が指摘されている(水島、2004)。そして、初期段階における有効な指導法としては、アナロゴン(類似の運動例)の活用が挙げられる。発表者はこれまでの研究において、児童の自由な遊びの中から鉄棒遊びの導入に有効なアナロゴンの抽出、検討を行ってきたものの(蛯原、2019)、検討したアナロゴンが技能の習得につながるかどうかについては未だ検討できていない。
そこで本研究では、発表者がこれまでに検討したアナロゴンを活用し、そのアナロゴンが実際の鉄棒遊びにおける技能習得につながるのかどうかを検証した。対象は小学校2年生32名(男子14名、女子18名)とし、9時間を1単元とする授業の中で実施した。技能調査は単元の初回と最終回に行い、調査対象とした技能は8項目(跳び上がり、つばめ、ふとんほし、ぶたのまるやき、前回り下り、こうもり、こうもりふり、逆上がり)であった。アナロゴンにはジャングルジムと登り棒における動きを採用し、2時間目以降、鉄棒遊びに取り組む前の導入として毎時間取り入れた。また、鉄棒遊びに苦手意識をもつ児童については、適宜アナロゴンに取り組むよう指導を行った。その結果、8項目中7項目において技能習得者数が増加し、今回活用したアナロゴンが鉄棒遊びにおける技能習得につながることが示唆された。