The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

生涯スポーツ研究部会 » 【課題C】人生100年時代に向けていかに人々のスポーツ権を保障するか

生涯スポーツ研究部会【課題C】口頭発表①

Wed. Sep 8, 2021 2:00 PM - 3:15 PM Room 21 (Zoom)

Chair: Keisuke Komura (Meijo University)

2:20 PM - 2:40 PM

[生涯スポーツ-C-02] 就学期の運動部活動経験が成人層の運動・スポーツ参画状況に与える影響

成人以降のスポーツ活動の多様化に着目して

*Junki Inui1, Makoto Chogahara1 (1. Kobe Univ.)

成人以降のスポーツ実施には過去の経験が関連するとされるが、その影響は経年で変化する可能性がある。成人以降、参画や志向の幅が広がるとされることからも(長ヶ原、2007ほか)、観戦や支援を含めた包括的な検討がなされるべきである。本研究は、就学期の運動部所属経験が現在の運動・スポーツ参画状況にどのように影響しているのか、また、その影響は年代によって異なるのか検討することを目的とした。調査は関西広域連合府県政令都市に住む満18歳以上を対象にWebアンケートにより実施した。登録モニターから無作為抽出したサンプルに対し1万件に達するまで回答を受け付けた(2018年12月6~10日)。まず中学・高校時代の運動部所属経験を中高所属、中学のみ所属、高校のみ所属、中高無所属の4群に分類した。このキャリアパターンと現在のスポーツ参画状況(実施頻度、観戦経験、ボランティア経験など)の関連をみるため一元配置分散分析を実施した。次にキャリア(4群)と年代(7群)の影響を検討するため、これらを独立変数とし、実施種目数や観戦種目数を従属変数とした二元配置分散分析を実施した。サンプル全体の平均年齢は49.4±13.0歳、キャリアの内訳は中高無所属4293人(42.9%)、中学のみ所属2375人(23.8%)、高校のみ所属466人(4.7%)、中高所属2866人(28.7%)であった。一元配置分散分析の結果、運動実施頻度、観戦経験、ボランティア経験など全項目で有意差が認められ、中高無所属→中のみ所属→高のみ所属→中高所属の順で得点が高かった。二元配置分散分析の結果は、全項目でキャリアの影響が有意であり、1項目を除いて年代の影響も有意であった。就学期の運動部経験は、成人以降のスポーツ参画の幅の広がりにも貢献する可能性が示唆された。また、年代による影響を受ける中でも過去の所属キャリアの影響は持ち越され続けていた。