日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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学校保健体育研究部会 » 【課題B】保健体育授業をいかに良質なものにするか

学校保健体育研究部会【課題B】テーマ別シンポジウム/より良質な保健体育授業の具体像を考える: コロナ禍の保健体育から、あらためてその意義と価値を整理する

2021年9月8日(水) 10:45 〜 12:45 会場3 (Zoom)

コーディネーター:髙橋 和子(静岡産業大学)、細越 淳二(国士舘大学)

12:15 〜 12:45

[学校保健体育-SB-4] コロナ禍における特別支援学校での体育実践から考えたこと

*鈴木 敏成1 (1. 東京都立田無特別支援学校)

<演者略歴>
東京都特別支援学校指導教諭
早稲田大学 大学院教育学研究科 修士課程修了、早稲田大学 社会安全政策研究所 招聘研究員
日本教師教育学会会員、日本アダプテッドスポーツ学会員
コロナ禍で、特別支援学校でも経験のしたことない様々な対応に追われている。勤務校(前任校)では昨年度のコロナ禍での休校期間に、オンラインで体を動かす動画を複数配信し、児童生徒や保護者から良い評価を得た。知的障害のある人の場合、身体を動かすことで得られる感覚刺激を沢山必要とする方が多数おり、自宅で気軽に身体を動かせるということは切実な願いであった。この経験を踏まえ、再度休校になりオンラインでの授業となることも想定して授業づくりをした。具体的にはピラティスやヨガなどのオンライントレーニングを参考にして、省スペースでできる運動を実施した。トレーニングマット上でできる運動を組み合わせ、動きにテーマを設けて生徒がテーマを意識しながら動くことで、主体的、対話的な学びとなるように工夫した。この授業では、運動に苦手意識の強い生徒も自己の身体と心に向かい合い、内観しながら体を動かす心地よさや楽しさを味わうことができた。
報告では、コロナ禍の限られた条件の中で、主体的・対話的で深い学びとしていかに授業づくりを行ったかを紹介し、そこで得た新たな知見から、これからの特別支援教育における体育の在り方を考えてみたい。