The 71st Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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学校保健体育研究部会 » 【課題C】体育・スポーツ健康科学は学校保健体育の進展にいかに貢献できるか

Health and physical education curriculum and course of study from the viewpoint of scientific evidence: Deviation between the contents of the course of study and the actual situation of health and physical education classes

Wed. Sep 8, 2021 3:30 PM - 5:30 PM Room 3 (Zoom)

Chair: Yusuke Suenaga (Tokyo Women's College of Physical Education), Yu Kashiwagi (Senshu University)

3:30 PM - 4:10 PM

[学校保健体育-SC-1] Achievements and issue in developing and implementing the course of study

*Kazuya Shirahata1 (1. Nippon Sport Science University)

<演者略歴>
小学校教諭、副校長、教育委員会指導主事、文部科学省体育科教科調査官、国立教育政策研究所教育課程調査官を経て現職。体育指導における教師効力感を高めるための研究を進めている。また、JICA体育分野技術顧問として、アフリカ、大洋州を中心とした開発途上国の体育普及に携わっている。
学習指導要領の役割は、「公の性質を有する学校における教育水準を全国的に確保することである。(学習指導要領前文)」と示されている。そのため、各学校が創意工夫できるよう大綱的に示されている。このことは、日本の学習指導要領の長所である一方、作成上の難点も併せ持つ。作成に当たっては、全国どの地域でも実現可能な内容であることが求められる。体育は、施設、設備、用具等への配慮が他教科以上に必要である。次に発達の段階への配慮である。小学校低学年で「運動遊び」としているのはその一例である。さらには教科である以上、他教科との整合が求められる。特に現行学習指導要領では、一層、その性格が明確となっている。また実施上の課題もある。学習指導要領は、教師の指導すべき内容を規定したものであり、指導方法は学校の創意工夫に委ねられている。しかし、前学習指導要領が全面実施となった2011年に小学校教員を対象とした調査では、体育科の内容について「全くわからない」「あまりわからない」と回答した教員が約4分の3であった。これでは、学習指導要領の改訂をしたところで、趣旨の実現はほど遠いと言わざるを得ない。周知方法の工夫が急務である。