日本体育・スポーツ・健康学会第71回大会

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体育科教育学/口頭発表②

2021年9月9日(木) 10:00 〜 11:00 会場12 (Zoom)

座長:吉野 聡(茨城大学)

10:30 〜 10:45

[11 教-口-07] 保護者の体育に対する認識形成プロセスに関する研究

*石井 幸司1,2、鈴木 直樹3 (1. 江戸川区立新田小学校、2. 東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科、3. 東京学芸大学)

保護者の子供へのかかわり方や学習に対する認識は、子供の学力や成長に影響を与える。また、家庭教育や家庭環境は子供の学力だけでなく、体力や健康とも関連している。このように、家庭で子供を育てる保護者の存在が子供の学びに大きな影響を与えている。学校教育においては、育みたい子ども像を学校と家庭・地域社会とで共有し、連携・協働した「社会に開かれた教育課程」(文部科学省、2017)の実現が求められている中で、学校と家庭・地域社会が、認識を共有し、連携・協働することで、質の高い教育を実現することできる。しかし、家庭及び地域と学校間では、教育に対しての認識のズレが存在していることや、体育の学習評価に対しても保護者と教員間では認識にズレがあることが明らかになっている。先行研究では、教師の体育の認識形成が多く検討されているのに対して、保護者の体育に対する認識を対象にした研究は少なく、保護者の体育に対する認識がどのようにして形成されるのかについては、検討されてきていない。そこで、本研究では、保護者を対象とし、体育に対する認識を形成するプロセスについて明らかにすることを目的とし、M-GTA(木下、2003)を用いて分析をした。調査の結果、保護者の体育に対する認識は、保護者の学生時代の受けてきた体育と、体育の授業や運動会を代表とする体育行事での相対的な技能への称賛と、体育や部活動での達成に向けた練習の経験が土台となって形成されていることが明らかになった。さらに、学習者から保護者となってから、我が子への願いや、今の体育の授業に関する子供との相互作用を通して形成されるプロセスであることが明らかになった。結果の詳細については当日発表する。