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[06 経-口-01] ナショナルコーチの資格化に関する一考察
オリンピック競技大会など国際競技大会における日本代表選手の活躍を目指し、我が国では国や民間等で様々な施策が実施されてきた。2011年に制定された「スポーツ基本法」の第25条では、国が優秀なスポーツ選手を育成するための環境整備等の施策を講じることが述べられ、第1期スポーツ基本計画では「夏季・冬季オリンピック競技大会それぞれにおける過去最多を超えるメダル数の獲得」とメダルの獲得にも言及するなど日本選手の活躍を国家施策として掲げている。こうした日本選手団の活躍を支える存在がコーチであり、特に「ナショナルコーチ」である。ナショナルコーチの役割は、代表選手の育成・強化に関わることであるが、その範囲は多岐にわたる。日本が掲げる目標を達成するためには、こうしたナショナルコーチの養成こそが重要なカギを握ることは言うまでもないだろう。
日本では、競技スポーツに関わる多くのコーチは、自身が所属する競技団体と公益財団法人日本スポーツ協会(以下JSPO)が共同で実施している同会公認スポーツ指導者養成講習会に参加・登録をしている。一方で、いわゆる「ナショナルコーチ」については、公益財団法人日本オリンピック委員会(以下JOC)では、「JOCナショナルコーチアカデミー事業」を2008年より開設し、これまで500名を超える修了者を輩出してきた。ただし、本アカデミーの「修了」は、「資格」としては位置付けられておらず、資格化を要望する声もある。
そこで、本研究では、その国家・組織が承認する資格制度の確立、すなわち「資格化」について現状分析するとともに、実際に資格を有する者が各実践現場において如何に結果を出しているか、あるいは結果を出してきたかという「実績評価」に関する検討を、関係者への半構造化インタビューを通して行うことにより、日本におけるナショナルコーチの資格化について可能性を考察したい。
日本では、競技スポーツに関わる多くのコーチは、自身が所属する競技団体と公益財団法人日本スポーツ協会(以下JSPO)が共同で実施している同会公認スポーツ指導者養成講習会に参加・登録をしている。一方で、いわゆる「ナショナルコーチ」については、公益財団法人日本オリンピック委員会(以下JOC)では、「JOCナショナルコーチアカデミー事業」を2008年より開設し、これまで500名を超える修了者を輩出してきた。ただし、本アカデミーの「修了」は、「資格」としては位置付けられておらず、資格化を要望する声もある。
そこで、本研究では、その国家・組織が承認する資格制度の確立、すなわち「資格化」について現状分析するとともに、実際に資格を有する者が各実践現場において如何に結果を出しているか、あるいは結果を出してきたかという「実績評価」に関する検討を、関係者への半構造化インタビューを通して行うことにより、日本におけるナショナルコーチの資格化について可能性を考察したい。