The 72nd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

生涯スポーツ研究部会 » 【課題A】 共生社会の実現に向けた生涯スポーツ政策と協働システムをいかに構築するか

生涯スポーツ研究部会【課題A】口頭発表①

Wed. Aug 31, 2022 11:00 AM - 12:03 PM 第6会場 (2号館1階11教室)

Chair: Kyosuke Uchida (Tokai University)

11:48 AM - 12:03 PM

[生涯スポーツ-A-04] 部活動における教師の成長過程とその影響要因に関する研究(教,経)

インタビュー調査から

*Makoto Ito1, Ebbe Daigo1, Norihiro Shimizu1 (1. Tsukuba University Sport Management Lab)

学校部活動が教育課程内の教科との関連が図られるものであることから、教師も部活動研究の対象としてこれまで多くの先行研究が行われてきた。部活動と教師に関する研究は、生徒に効果的な部活動を提供するための人的資源として教師に関心を向けた研究と、教師の過剰労働の原因として部活動に関心を向けた研究に大別される。ところが、教師を関心の中心に置き、部活動に関与することで教師自身が得る効果についてはこれまで関心が向けられてこなかった。神谷(2015)は、部活動は教師にとって自身の教育活動を振り返り新たな課題に気づくための「自己研修の場」といえると論じているが、教師教育、力量形成の先行研究においても、部活動における顧問教師の成長について検討した研究は見られない。以上の背景から本研究は、これまで部活動に意義を見出して関与してきた教師が、顧問教師として部活動でどのような経験をし、どのように自らを成長させてきたのかを明らかにすることで、教師にとって部活動がどのような力量形成の場になり得るのかを検討する。予備調査として行った自記式質問紙調査の結果から、顧問教師は部活動で「競技指導者として」、「教師として」の二つの成長の様相を見せることが示された。また、類似した経験であっても成長の様相が異なることや、負担感を獲得してしまう場合があることが示唆された。このことから、部活動での経験そのものだけではなく、教師の信念などの個人的な要因、教師間関係などの学校の組織的な要因の影響によって成長の様相が異なる可能性が考えられる。そこで、中学校または高等学校の教師を対象に半構造化インタビューを行い、教師が部活動で成長する過程を記述し、その成長過程に影響する要因を検討した。本発表では、インタビューテキストをSCAT分析を用いて理論化し考察を行った結果を報告する。