The 72nd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

学校保健体育研究部会 » 【課題A】 大学体育の授業をいかに良質なものにするか

学校保健体育研究部会【課題A】口頭発表②

Wed. Aug 31, 2022 11:00 AM - 12:19 PM 第5会場 (2号館4階4E教室)

Chair: Koji Takahashi (Nagasaki University)

11:48 AM - 12:03 PM

[学校保健体育-A-09] 新型コロナウイルス感染症対策のためにオンデマンド型遠隔授業を活用した体育実技系必修科目の検討(介,生)

大学1年生対象の2020年度秋学期授業の調査結果から

*Tomoaki Bunya1, Tomomi Monri1, Takeshi Miyakawa1 (1. Kawasaki University of Medical Welfare)

【背景】2020年度は新型コロナウイルス感染症対策として、対面授業から遠隔授業(大学の方針によりオンデマンド型を採用)に切り替えることを余儀なくされた。コロナ禍においては外出や行動の制限により、体力低下や体調の変化が憂慮され、また授業に対する満足度の低下も懸念された。【授業内容】ストレッチングやレジスタンス運動、有酸素性運動など多岐にわたる種目や強度で、一人でも楽しく行える動画や静止画(計32点)を配信した。これらを視聴し実践した感想等をLMSに送信すること、そして自宅等で実践した運動内容と振り返りを記録することを課題とした。オンデマンド型ながらも双方向を意識し、様々な感想、Q&A、運動時の工夫や他の学生に勧めたいことをLMSに掲載し、教員-学生間、学生同士の情報共有に努めた。【方法】対象は451名(男性99名、女性352名)である。調査は全授業終了後に対面で実施した。【結果・考察】体調の変化として肩こり、腰痛、目の疲れ、憂鬱感は軽減傾向にあったが、寝付きや寝起きは増悪傾向にあった。体型は「引き締まった」が「緩んだ」の1.6倍であった。柔軟性、筋力、全身持久力は「変わらない」か「向上した」が多く、「向上した」は「低下した」の9.0、3.6、1.4倍であった。授業満足度(満足・やや満足・やや不満・不満)の満足群は88%(男性80%、女性90%)であり、女性がより高値を示した。対面授業ができない前提での回答ではあるが、双方向としての工夫を2/3以上の学生が高評価だったことが関係していると推察する。また、好評価の配信内容は愁訴や姿勢の改善を主としており、日頃の悩みに即した運動であったことも一因と思われる。さらに「体育は苦手だが楽しかった」「対面の方が楽しいが役に立った」などの自由記述がみられ、大学体育の意義として、社会人になってからも活用できる運動の情報提供が重要であると考える。