[学校保健体育-SA-2] Possibility for university physical education classes by including gender and sexuality perspective
<演者略歴>
順天堂大学スポーツ健康科学部助教。専門は「スポーツと開発」と「スポーツとジェンダー・セクシュアリティ」。米国の大学院卒業後、スウェーデンでプロ女子サッカー選手を経験。その後、ザンビアのNGOにて半年間、スポーツを通じたジェンダー平等を現場で実践。帰国後、スポーツ庁国際課に勤務し、2018年から所属大学で勤務を開始。現在、国際基督教大学博士後期課程課程在籍。一般社団法人S.C.P. Japan共同代表。
順天堂大学スポーツ健康科学部助教。専門は「スポーツと開発」と「スポーツとジェンダー・セクシュアリティ」。米国の大学院卒業後、スウェーデンでプロ女子サッカー選手を経験。その後、ザンビアのNGOにて半年間、スポーツを通じたジェンダー平等を現場で実践。帰国後、スポーツ庁国際課に勤務し、2018年から所属大学で勤務を開始。現在、国際基督教大学博士後期課程課程在籍。一般社団法人S.C.P. Japan共同代表。
大学体育は教員が独自性を発揮し「楽しむこと」を中心に据えた授業づくりができることから、目的や意義はこれまで、運動機会の提供、生涯スポーツの導入、ソーシャルスキル獲得の場などと言われてきた。大学体育は学生のスポーツ参加のハードルを下げ、多様な目的を運動に持つ学生たちを包摂してきたと言えるであろう。一方で、これまでの大学体育において、ジェ ンダーやセクシュアリティの課題はあまり議論されてこなかった。女子学生の運動機会や種目選択は男子学生と本当の意味で平等なのだろうか。多様な性自認や性的指向を持つ学生たちにとって、機会の平等と心理的安全は保障されていると言えるのか。また、大学体育は学生たちが真の公正や平等について考え、議論を深める場としても有効であると考える。性別、性自認、性的指向、性表現に関わらず、誰もがスポーツに平等に安全・安心にアクセスできるスポーツ環境を議論することは、誰もが安心・安全に豊かに暮らせる共生社会を考えるきっかけも創出するであろう。小学校の義務教育から学生たちの身近に存在してきた体育だからこそ、ジェンダーやセクシュアリティの課題を身近に感じてもらうことができるのではないか。