The 72nd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

生涯スポーツ研究部会 » 【課題C】 人生100年時代に向けていかに人々のスポーツ権を保障するか

生涯スポーツ研究部会【課題C】口頭発表②

Thu. Sep 1, 2022 3:20 PM - 4:39 PM 第7会場 (2号館1階12教室)

Chair: Hiroshi Mizukami (Nihon University)

4:24 PM - 4:39 PM

[生涯スポーツ-C-10] 東京2020オリンピックはスポーツ・運動に興味・関心が無い者にスポーツ・運動に対する興味関心を持たせ、運動の実践に寄与したか(介)

*Yasutomi Katayama1, Kyohsuke Wakaba2 (1. Kogakkan University, 2. Jumonji University)

オリンピックなど世界的に著名なスポーツイベントの開催は、人々のスポーツ・運動への興味・関心を高め、スポーツ・運動実践の増加に寄与するものと期待されているが、そのオリンピックでさえ、人々の健康や身体活動量(歩数)の増加に影響しなかったという報告がある。しかしこれまでの報告は、すでに運動・スポーツの実践がある者も調査対象者に含まれており、運動・スポーツに興味・関心が無い者や運動実践の無い者を対象に調査されたものではない。そこで本研究では、運動・スポーツに興味・関心が無い者や運動実践の無い者を対象に、東京2020オリンピックの開催が、どのくらいの人たちに、スポーツ・運動の興味・関心を持たせ、運動実践を始めさせることに寄与したのかを明らかにすることを目的とした。
 本研究では、K大学教育学部および大学院修士課程教育学研究科の学生945名に対しWeb調査をおこない、オリンピック開催前と閉会から6か月後のスポーツ・運動に対する興味・関心と運動の実践状況(自主的な運動実践が週に合計30分以上あれば「運動実践あり」と判断)、およびそれらの変化はオリンピックの影響によるものであったかを回答してもらった。
 有効回答数は226件(名)であり、有効回答率は23.9%であった。回答者のうち、オリンピック開催前に興味・関心の無かった者が106名、そのうち閉会から6か月後の時点で、このオリンピックの影響で、興味・関心を有するようになった者や運動を実践するようになった者が15名(オリンピック開催前に興味・関心の無かった者の14.2%)、そのうち2名(1.9%)が運動を実践するようになった。オリンピック開催前に興味・関心はあっても運動実践がなかった者51名のうち、オリンピックの影響で興味・関心が増した者が23名(運動実践がなかった者の45.1%)、運動を実践するようになった者は1名(2.0%)であった。