日本体育・スポーツ・健康学会第72回大会

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スポーツ文化研究部会 » 【課題C】多様なスポーツ文化の保存・流通・促進をいかに刷新していくか

スポーツ文化研究部会【課題C】口頭発表①

2022年9月1日(木) 15:30 〜 16:33 第8会場 (2号館2階21教室)

座長:朝倉 雅史(筑波大学)

15:30 〜 15:45

[スポーツ文化-C-01] 動きの質の違いを共有し認め合うダンス発表会の意義に関する研究(教)

東京都における高等学校ダンス部のオンライン発表会の実践を通して

*中村 なおみ1、渡辺 律子2、笠井 里津子3、布施 典子4 (1. 東海大学、2. 文教大学、3. 日本体育大学、4. 上野学園中学高等学校 )

競技スポーツでの競技大会では「競い合う」ために集い、「競争」を通して交流する場と なっている。その一方で、体操・ダンスの分野では、一緒に動く、または動きを発表・鑑賞し「動きを共有する」ために集い、相互に認め合うことで交流する場としてきた。体操・ダンスは、多種多様な動きの価値を共有し、動きの質的な違いを受け止め、多様性の尊重を学ぶことができる運動文化としてその意義があると考える。 東京都女子体育連盟では、発表会への参加人数の増加傾向を捉え、「高等学校におけるダンス部の活動実態及部員の意識調査~東京都における急増するダンス部の現状と課題~」(2013)の調査研究を行い、急増する部員の実態を明らかにし、指導上の課題として①活動場所が保証されていない②専門的な知識を持った指導者がいない③生活指導面での問題が多い、という3点を明らかにした。その後もダンス部の人気は高く、多くの高等学校で新しい部活動として認められてきている。こういった高校生のダンス人口の増加により、様々な形態のダンスコンクールが開催されるようになり、ダンスも勝敗、優劣を競い合うといった傾向が見られるようになってきている。 本研究では、東京都女子体育連盟が開催してきた高等学校のダンス発表会を事例として報告する。2020年度(第49回大会)はコロナ禍で充分な部活動ができない状況であったが 、発表の場の意義を改めて考え、初めてのオンラインよる大会を企画実施した。企画運営に関わった教員への調査、および出場校34校へのアンケート調査から、新たな活動形態の模索、部員間、顧問やコーチとのコミュニケーションの重要性、オンライン(映像)ならではのダンスの表現方法など、を学んだという結果が得られた。大会を通して、改めて他の学校の異なる表現(動きの質の違い)を発表しあうことは、相互に繋がり合うことだと再確認された。