The 72nd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

スポーツ文化研究部会 » 【課題C】多様なスポーツ文化の保存・流通・促進をいかに刷新していくか

スポーツ文化研究部会【課題C】口頭発表①

Thu. Sep 1, 2022 3:30 PM - 4:33 PM 第8会場 (2号館2階21教室)

Chair: Masashi Asakura

4:18 PM - 4:33 PM

[スポーツ文化-C-04] 東京2020ホストタウン事業における国際交流と地域活性化に関する事例研究(教)

山形県村山市とブルガリア新体操チームの交流

*Akiyo Miyazaki1 (1. University of Tsukuba)

東京オリンピック・パラリンピック大会の開催に向けて内閣官房は、全国の地方公共団体と大会参加国・地域との人的・経済的・文化的な相互交流を図るとともに、地域の活性化等を推進することを目的として、2016年度より「ホストタウン事業」を創設した。さらに2017年には、東日本大震災の被災3県を対象とした「復興ありがとうホストタウン」、同年11月に、パラリンピアンの受け入れを契機に、各地における共生社会の実現に向けた取り組みを加速する「共生社会ホストタウン」が追加された。本事業の登録数は、大会までに462件(自治体数533、相手国・地域185)に昇った。 本研究では、山形県村山市を対象として、ブルガリアの新体操チームとの国際交流の実態と、地域の活性化に関する成果や課題を明らかにすることを目的とした。2019年度から3回(各年度に1回)にわたって、村山市のオリ・パラ推進課の担当者に対するインタビューとフィールド調査を行った。2020年度からは新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けたため、その影響と対策に関する実態も明らかにした。 村山市では、市の花がバラであること、新体操が盛んな地域であることからブルガリアの新体操チームを相手として交流協定を締結した。2017年6月から年1回の事前キャンプを受け入れ、コロナ禍によって中止された2020年を除く4回に渡って継続的に行われた。” Rose Camp” と名付けられた事前合宿は、スポンサーや地元ボランティアによって支えられ、来日した選手や関係者と地域住民や学校訪問などの直接交流が行われた。運営面では、市の職員として国際交流員を雇用して、学校や地域との交流に役立てた。コロナ禍において直接交流が困難になってからは、交流員を現地との連絡や、オンラインセミナーに活用するなどの対策がとられた。さまざまな取り組みが地域の活性化につながったと考えられ、計画当初から大会後を見据えた視点を持っていたことも明らかとなった。