The 72nd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

Presentation information

Theme Symposium

スポーツ文化研究部会 » 【課題C】多様なスポーツ文化の保存・流通・促進をいかに刷新していくか

Strategies for Penetration of Sports Culture (2): The science of transmission and inheritance of physical culture

Thu. Sep 1, 2022 5:00 PM - 6:50 PM 第8会場 (2号館2階21教室)

Chair: Hiroshi Kubota (Tokyo Gakugei University), Shota Ogawa (Nippon Sport Science University) Designated Debater: Takanori Ishii (Nippon Sport Science University)

[スポーツ文化-SC-1] Biomechanical research for transmission and inheritance of physical culture

*Mizumura Kuno Mayumi 1 (1. Ochanomizu University)

<演者略歴>
お茶の水女子大学基幹研究院教授。6歳よりバレエ、お茶の水女子大で創作舞踊を学ぶ。1989~91年谷桃子バレエ団所属。東京大学大学院教育学研究科修士(体育学スポーツ科学)博士課程(身体教育学)修了、博士(教育学)取得。東京大学助手、お茶の水女子大学専任講師、助教授、准教授経て現職。日本ダンス医科学研究会代表理事。
ダンスは、文化に根付いて伝承・継承される身体表現である。バレエのように形式化された舞台芸術であっても、その誕生には文化的背景があり、上演されるダンスは、正に文化財といっても過言ではない。競技スポーツのパフォーマンス向上に、バイオメカニクス研究が貢献する事例は数多く報告されている。近年、同じ研究手法を用いて、身体表現としての様々なダンスを分析する研究は増加している。ダンスを対象とした科学的知見の蓄積は、身体運動としてのダンスの独自性を客観的に理解することに貢献し、ダンスの運動としての魅力を伝えるだけでなく、安全にダンスを楽しむための知見も提供している。一方で、バイオメカニクスに代表される定量的な解析から、芸術としての表現性を客観化することは容易ではない。身体文化の芸術的側面の解明には、今後分析手法の工夫や他領域とのコラボレーションといった展開により、バイオメカニクス研究による身体文化の伝承・継承に資する研究展開が期待される。身体への興味を共通点に、異なる領域の研究者が会する本学会での情報共有から、身体文化を対象とした自然科学的研究の今後の発展的な議論が展開されることを楽しみにしている。