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[学校保健体育-C-05] 運動が苦手な子どもの体育の授業における居場所感の重要性(ア)
本研究は、運動が苦手な子どもの体育の授業における居場所感が体育の授業の印象に及ぼす影響について明らかにすることを目的に、中学生445名を対象にした質問紙調査の結果をもとに因子分析を行ったところ「受容感」と「本来感」、「自己有用感」が抽出された。それぞれの因子と運動の苦手さ(苦手群と非苦手群)を要因とした二元配置分散分析を行った結果、苦手群よりも非苦手群の方が、「受容感」下位群よりも上位群の方が体育の授業の印象が良いことが明らかになった。一方で、「苦手・受容感上位群」と「非苦手・受容感下位群」の間に、体育の授業の印象の差があるとは言えなかった。また、苦手群よりも非苦手群の方が、「本来感」下位群よりも上位群の方が体育の授業の印象が良いことが明らかになった。一方で、「苦手・本来感上位群」と「非苦手・本来感下位群」の間に、体育の授業の印象の差があるとは言えなかった。さらに、苦手群よりも非苦手群の方が、「自己有用感」下位群よりも上位群の方が体育の授業の印象が良いことが明らかになった。一方で、「苦手・自己有用感上位群」と「非苦手・自己有用感下位群」の間に、体育の授業の印象の差があるとは言えなかった。以上の結果から、運動が苦手な子どもにおいても苦手でない子どもにおいても、体育の授業において居場所を感じられることは重要であると考えられた。また、運動が苦手な子どもにおいては、運動の苦手さを軽減することに加え、体育の授業における居場所感を高めていく必要性が示唆された。