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[学校保健体育-C-14] 技能の主観的な振り返りを核にしたOPPシートが児童の認識に与える影響(教)
小学校6年生のハンドボール授業における実践に着目して
現行の小学校学習指導要領では、育成を目指す資質・能力が三つの柱に整理された。堀(2019)は、「資質・能力を育成するためには、学習者自身が自分の学びについて自覚していくことが重要です。OPPシートを用いることにより、認知の調整すなわちメタ認知的資質・能力を育成することが可能になります。」と述べ、OPPA論を提唱している。本研究では、児童自身が技能の主観的な評価を記述することができるOPPシートを試作し、小学校6年生28名を対象としたハンドボールの授業実践を行った。今回試作したOPPシートを用いることで、児童の認識にどのような影響を与えることができるのかを事例的に検討することが本研究の目的である。今回試作したOPPシートの特徴は、児童自身が主観的に技能の達成度を評価する「できたメーター」を取り入れたことである。毎時間、長方形の枠に一本の直線を引いて達成度を表し、前時と変わった理由を「できたメーターの長さの理由」として記述させた。そして、児童一人一人が引いた「できたメーター」の直線までの長さを測って数値化し、毎時間のクラス全体の平均値の変化を統計的に分析した。また、「できたメーターの長さの理由」に記述された内容は、計量テキスト分析ソフトKH Coder(樋口、2017)の対応分析機能と共起ネットワーク機能を用いて比較・検討した。その結果、授業が進むにつれ、児童一人一人が「できたメーター」に示した達成度は、統計的に有意に向上する傾向が示された。また、「できたメーター」の長さの増減に合わせて、メインゲームの課題やそれを解決するために必要となる動きに関する記述内容が確認された。これらのことから、「できたメーターを取り入れたOPPシート」を用いることで、小学校6年生の児童自身が技能についての主観的な評価を記述しながら、自己の変容に対する認識を深めることができる可能性が示唆された。