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[健康福祉-C-01] 生活環境下における受光と主観的睡眠状況との関係(発)
目的:日本では、子どもの睡眠状況の悪化が問題視されている。日中の受光はメラトニンリズムの位相を前進させ、日没後の受光はそれを後退させる。また、同程度の照度であっても受光のタイミングによってその影響が異なることも確認されている。しかしながら、受光と睡眠状況との関連については実験室レベルでの検討が数多く行われている一方で、生活環境下における検討は実施されていない。そこで本研究では、子どもの生活環境下における受光と主観的睡眠状況との関係を明らかにすることを目的とした。 方法:対象は小学4年生から中学2年生までの32名であり、調査は平日、休日、キャンプ期間を含む2019年及び2021年の7月から8月の期間に実施された。 調査期間中の受光は、環境センサ2JCIE-BL(オムロン株式会社製)を用いて起床直後から就床直前まで5分間ごとに測定した。一方、調査期間中の主観的睡眠状況(寝つき、中途覚醒、睡眠の質、朝の眠気)は、就寝前に5件法で評価した。分析では、最初に受光量のデータをクリーニングした後、日没までの18時台までは3,000lux以上、日没後の19時台以降は1,000lux以上の高照度受光時間を1時間ごとに算出した。次に、平日、休日、キャンプ期間の睡眠問題あり群となし群の割合を算出した。その上で、睡眠問題あり群となし群とにおける1時間ごとの高照度受光時間を対応のないt検定により比較した。 結果:睡眠問題あり群となし群の高照度受光時間を比較した結果、寝つきは8、9、10、15時台で、睡眠の質は10時台で、朝の眠気は8、9、10、11、12、13、14時台でなし群の高照度受光時間が有意に長い様子が確認された。対して、寝つきの17、18時台、中途覚醒の13時台は、なし群に比してあり群の高照度受光時間が有意に長い様子が確認された。一方、19時台以降には両群間の有意差は認められなかった。 付記:本研究は令和3年度日本体育大学学術研究補助費(代表:野井真吾)の援助を受けて実施された。