The 72nd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

競技スポーツ研究部会 » 【課題C】 ハイパフォーマンススポーツ(トップレベルの競技スポーツ)におけるトレーニングをいかに効果的に行うか

競技スポーツ研究部会【課題C】口頭発表③

Thu. Sep 1, 2022 3:30 PM - 4:33 PM 第3会場 (3号館4階402教室)

Chair: Katsuhiko Yokoyama

3:30 PM - 3:45 PM

[競技スポーツ-C-09] ハンドボールにおける非利き腕のプレーに関する個人戦術力の研究(スポーツ運動学)

*Haruka Yoshimoto1, Junya Sone2 (1. Osaka University of Health and Sport Sciences Graduate School, 2. Osaka University of Health and Sport Sciences)

一般にゴール型球技の指導においては、利き側・非利き側に関わらず両側とも同じように動かすことが理想とされている。例えば、サッカーの育成年代における指導では、利き足だけでなく左右の足を同程度使えるよう育成していくことの重要性が述べられており(日本サッカー協会、2020)、同様にバスケットボールでも、ドリブルやパス等のボールコントロールが左右の手でできるように推奨されている(日本バスケットボール協会、2002)。しかし一方で、ハンドボールの指導教本(日本ハンドボール協会、1992)では、非利き腕の技術指導に関する記述はなく、実際にパス・ドリブル・シュート等の局面に非利き腕の時間が割かれる練習も少ないのが現状である。この事実は、非利き腕の技術がゲーム状況の合目的的な解決に対して有効であると認識されていないことに起因しているものと考えられ、冒頭で述べた両腕での技術を習得する理想に対しハンドボール界では立ち遅れの様相を呈してしまっているのである。しかし、ハンドボール界で非利き腕でのプレーが皆無というわけではない。国内トップリーグですでに若干の事例が散見されている。こうした事例があるにもかかわらず個人の技術として葬り去られていくにはあまりにも無価値といえる。したがって、ハンドボールの非効き腕プレーに関する実践知を明らかにしていくことは後進の育成のためにも急務であるといえる。
 そこで本研究では、育成年代のハンドボール選手における非利き腕プレーに関する基礎的な知見を得ることを目的として、日本ハンドボールリーグ経験のある選手2名を対象に面接を実施した。ここでは、ハンドボールの非利き腕プレーに関する動きのコツやそのコツを掴むまでの習熟過程、さらに個人戦術力との関係についても聞き取りを行い、現象学的手法を用いた分析を行った。