The 72nd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Subdiscipline)

専門領域別 » 体育社会学

体育社会学/口頭発表②

Fri. Sep 2, 2022 1:10 PM - 2:27 PM 第7会場 (2号館1階12教室)

Chair: Hidesato Takahashi (Nara University of Education)

1:36 PM - 2:01 PM

[02社-口-04] 大学生のスポーツボランティア活動に対する他律的な認識に関する一考察

*Takafumi Kiyomiya1, Yukihiro Abe2, Mitsuyo Yoda3 (1. Shizuoka Sangyo University, 2. Kobe University of Future Health Sciences, 3. Nippon Sport Science University)

スポーツボランティア活動は他律的な参加が常態化している。笹川スポーツ財団(2019)の「スポーツボランティアに関する調査2019」は、約8割が職場や学校、地域のグループなどから頼まれて行っていることを報告している。また、スポーツボランティア活動への参加動機に関する研究においても「他律参加」(松本,1999;小玉,2016)や「依頼」(田引,2008)などの因子が抽出されている。清宮ら(2020)の研究では、大学生に着目し、スポーツボランティアに対する認識の抽出を試みた。その結果、他律的な認識が抽出され、さらにスポーツボランティアに対する他律的な認識は、今後のスポーツボランティア活動への参加意欲を低下させることが明らかになった。したがって、スポーツボランティアに対する他律的な認識は今後のスポーツボランティア活動への参加人口に影響を与える可能性がある。
 では、なぜ大学生の頃から、スポーツボランティア活動に他律的な認識を有してしまうのか。本発表では、学校教育とメディアの2つの視点からスポーツボランティアに対する他律的な認識の形成理由を明らかにすることを目的とした。
 研究方法については、社会調査会社に依頼し、アンケート調査を行った。調査対象者はスポーツボランティア活動の経験を有した大学生とし、調査時期は2022年3月であった。
 調査の結果、スポーツボランティア活動に対して他律的な認識を有している大学生のうち、約4割が中学や高校の頃、学校の先生からスポーツボランティア活動へ強制的に参加させられた経験があると回答した。また、約9割が東京2020大会に関して「ボランティア=動員」という記事やニュースを見たことがあると回答した。
 発表当日は、データの分析結果を報告し、大学生のスポーツボランティア活動に対する他律的な認識の形成理由について考察したものを発表する。