The 72nd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Subdiscipline)

専門領域別 » 測定評価

測定評価/口頭発表②

Fri. Sep 2, 2022 10:59 AM - 11:37 AM 第8会場 (2号館2階21教室)

Chair: Shinji Takahashi (Tohoku Gakuin University)

10:59 AM - 11:11 AM

[08測-口-04] 競技選手における日常での草履サンダル着用の効果について

日本ハンドボールリーグ女子トップ選手を対象に

*Kazuyoshi Miyaguchi1 (1. Ishikawa Prefectural University)

競技選手にとって「足趾力」は重要である。素早く走るとき、あるいは崩れた体勢を立て直すには地面反力を使うことが不可欠で、そのためにも“しっかりと地面を踏む”ことが求められる。しかし、近年では様々な競技において「浮き趾」の選手が増えており、結果的に踵重心になるため、瞬時のストップやターン、ダッシュが十分できない選手も増えているように思われる。鼻緒がある履物は、これを趾で一歩ごとに挟まないと歩けない。特に草履の場合、第1趾と第2趾で鼻緒を挟み、つまむようにして歩くため、 Toe break(靴が曲がる位置)時に足趾で床を踏み込むため、結果として骨盤、腰椎等のアライメントが矯正される可能性が高い。本研究は、競技選手の日常生活に草履サンダル履きを導入することで、立位時の足圧分布(重心位置)が変化するのか検証することを目的とした。対象は日本ハンドボールリーグで活躍する女子選手10名であった。寮生活で、従来のスリッパやシャワーサンダルの替わりに、鼻緒のある草履サンダル(ラッキーベル社製)を1年間活用してもらった。草履サンダル導入前後に足圧分布測定器(フットビュークリニック:ニッタ社製)で静止立位時の足圧分布を測定した。トップレベルの選手達であるが、踵重心傾向にある者や外反拇指、巻き爪等、足にトラブルを抱える選手もいた。導入前に比べ導入後の足圧中心位置が、つま先側前方に平均で約2.8cm(t値: 6.35, ES: 2.39)変化していた。草履サンダルの活用法については選手に任せており、選手によって使用頻度が異なっていたが、全員、足圧中心の前方への変化が認められた。特に愛用してくれた選手の場合、浮き趾がかなり改善され、足圧中心が5.49cm前方に変位していた。以上のことから、日常での草履サンダル着用は競技選手の立位時の足圧分布(重心位置)を改善する上で有効であることがわかった。