[08測-レクチャー-1] Introduction to Multilevel Analysis
<演者略歴>
博士(体育科学) 筑波大学大学院体育科学専攻を修了後、ユヴァスキュラ大学ジェロントロジーリサーチセンターポスドク研究員、千葉大学予防医学センター特任助教を経て現職。主に高齢者を対象とした運動・スポーツ疫学、公衆衛生学を専門とする。本学会では「測定評価」「介護予防・健康づくり」専門領域に所属。
博士(体育科学) 筑波大学大学院体育科学専攻を修了後、ユヴァスキュラ大学ジェロントロジーリサーチセンターポスドク研究員、千葉大学予防医学センター特任助教を経て現職。主に高齢者を対象とした運動・スポーツ疫学、公衆衛生学を専門とする。本学会では「測定評価」「介護予防・健康づくり」専門領域に所属。
近年、観察研究や介入研究において、マルチレベルモデル(=一般化線形混合モデル、線形混合モデル、混合効果モデルなど、呼び名は違えど全て同じ)を用いた報告が増えている。これは例えば「地域・学校レベルと個人レベルの階層構造をもつデータ」や「個人IDにネストされた(入れ子構造にある)繰り返し測定データ」を適切に扱い、分析するための手法である。複数の地域や学校から得られたデータは、個人の特性やライフスタイルのみならず、その地域(環境、条例など)や学校(教育方針など)の要因の影響を受けているはずである。また、個人から繰り返し測定データを収集すれば、その個人内では似通ったデータが得られるだろう。このようなデータの階層性を無視して従来の分析を行うことで誤った結果を導く可能性があるため、マルチレベル分析の適用が求められる。さらに、繰り返し測定データに欠測が生じた参加者を分析対象に含めることが可能であり、選択バイアスを軽減できるという利点も大きい。本企画では、マルチレベル分析の概要について説明するとともに、体育・スポーツ・健康分野で応用された報告事例を紹介し、会員の今後の研究の一助となることを目指す。