[07発-ポ-03] 子どもにおける自体重負荷運動時の主観的運動強度と生理応答との関係
【目的】近年、新型コロナ感染の拡大により人の行動が制限されていることにより、子どもの身体活動量は低下している。そのため、身体活動を増加する方策として、自宅で簡便にできる自体重負荷運動(自重運動)が期待されている。自体重負荷のスクワットやランジ運動は低から中強度の運動であり、思春期の子どもの最大筋力および全身持久力の向上に有用である。トレーニングの効果を得るためには運動強度が必要であるが、子どもの自重運動時の強度は、実施者の体力レベルに依存する。すなわち、体力レベルが高い子どもは運動強度が低い。そのため、簡便に自重運動時の運動強度を知ることは、トレーニングを効果的に行うために必要である。運動強度を簡便に定量できる指標として、主観的運動強度(RPE)がある。一般的に、運動強度の増大に伴い心拍レベルとRPEは増加し、両者は直線関係にあることが知られている(Borgスケール)。そこで本研究では、子どもの自重運動時の筋活動量および心拍数とRPEとの関係について明らかにすることを目的とした。【方法】対象者は、9-15歳の男女22名とした。動作様式の異なる3種類の自体重負荷スクワット(SQ)、スクワットジャンプ(SJ)、フロントランジ(FL)時の下肢筋群の筋活動水準(大腿直筋、外側広筋、内側広筋、大腿二頭筋)、心拍水準(%HRmax)、子ども用のRPE(OMNI-RES)を測定した。【結果】自重運動時の%HRmaxはいずれも先行研究の結果と同等の中強度運動であったが、SQと比較してSJおよびFLが有意に高かった。筋活動水準は、膝関節伸展筋群ではSQ、FLと比較してSJが有意に高い値を示した。OMNI-RESは、運動種目間で有意な差は認められなかった(約2-5)。OMNI-RESと%HRmaxの関係については、すべての動作種目でOMNI-RESと%HRmaxに正の相関関係が認められた。一方で、OMNI-RESと筋活動水準との相関関係は認められなかった。このことから、OMNI-RESは心拍レベルの指標として用いることが可能であることが示唆された。